明朝、朝陽が射す方へ (ページ22)

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松倉｢あ！｣
松田｢海人あぶない！｣
中村｢えっ｣
そんな声が聞こえて思わず振り向く。
松倉が足を滑らせたのではないかと何とかして気配を感じようとした。

中村｢いてっ｣
……と思ったのだが、何か重いものがボスりと落ちる音はせず、変わりに自分の頭に小さい何かがコツン、と落ちてきた。

松田｢っ、ふっ…海人、大丈夫…？ふふっ、｣
松倉｢ごめんね海人～…へへっ、悪気は、ふっ、ないんだけど…｣
笑いを堪えながらそういう2人の声がする。
お前ら実際口からも笑い出てるし心の中で笑ってるのも聞こえてるぞ。
どっちでも心配してくれてるのはありがたいけど。

中村｢…｣
何だか無性に腹が立って、手探りで探し出した木の実2つを声のする方へ向けて思い切り投げつける。
松倉｢いったー！｣
松田｢何で当たるの！？見えてるの！？｣
中村｢声で大体の位置わかるしお前ら笑うなら笑えよ。心の中で爆笑すんじゃねぇ｣

松倉｢そっか！海人に隠し事出来ないんじゃん！｣
松田｢そうだった！じゃあさっきちゃかに悪戯しようって企んでたのバレてるじゃん！｣
中村｢ねえ海斗それわざと？｣
松倉｢わー！やっぱりバレた！｣
松田｢何考えてたの？｣
松倉｢海人の部屋に罠仕掛けようって思った｣
中村｢尻尾抓るぞ｣
松倉｢暴力はんたーい！｣

わっきゃわっきゃ喋りながら、松倉と松田は木の実をどんどん入れていく。
肩が少し重くなったところで、また不自然に葉っぱが揺れる音がして松田と松倉がほぼ同時に中村の手首を握った。