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松田「かーいーと!」
中村「うるさ…」
障子を全開にし、中村の部屋に入ると早々に中村は鬱陶しそうな顔をして彼を出迎えた。

松田「俺たちのうどん、作ったよ!」
中村「そう。そりゃ良かったね」
松田「海人も一緒に食べよ!今日はねー、閑也んとこで食べよって言ってるの!」
中村「えぇ…人多いじゃん」
松田「でもそもそも、海人があの教本渡して来たんじゃん!」

松田の正論に中村は思わず口を紡ぐ。
彼の言う通り、2匹に料理の教本を渡したのは中村だ。
突然入り込んできた2匹が部屋の隅に積みあがっている本が気になる、と言っていたから何冊かあげる、と言ったのだ。
…まぁ、そもそもその本も中村のものではないのだから、あげる、というのも少しおかしな話なのだが。

松倉と松田が読み上げていく本の表題の中に混ざっていた「料理の教本」が気になって、どんな料理があるのか聞いたところ、2匹が「きつねうどんがある!」と楽し気に言った。
それを聞いて、ちょっとだけ昔を思い出して食べてみたいなぁ、と思ってしまった。
だからその本あげる、と言ったのだ。
きっと、2匹は中村が食べてみたいと思っていたなんて意図は汲み取っていないのだろうし、作った理由も大方油揚げが入っているからだろうけど。

中村「…わかったよ」
松田「一緒に食べてくれる!?」
中村「わかったから、連れてって」
松田「わーい!ほら行くよー!」
中村「馬鹿、お前急に走るなって!」
松田に半ば強引に引っ張られ、視界がない中村は一種の恐怖を覚える。
一応「段差!」等という案内をしてくれるだけまだマシだが。

宮近「あ、やっと来た」
七五三掛「遅いよ海人。松倉がもうお預け喰らったわんころみたいになってる」
7人集まると、やっぱり騒がしさは倍増する。
自分を抜いて12人分の声が聞こえてくるのだから尚の事だ。
川島が心配そうに隣で「大丈夫?」と聞いていたが、何だかんだで7人揃う事に嬉しく思ってしまう自分もいる。

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年9月1日 0時

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