明朝、朝陽が射す方へ (ページ15)

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第四話ページ15

松倉「のえるー！のえるのえるのえるー！！」
川島「わぁ、どうしたの？」
松田「炊事場貸してー！」
明くる日、境内の掃き掃除をしていた川島に突進してきた子狐2匹は、何やら小さな教本を持ってその目を星屑の様に輝かせて川島を見上げていた。

川島「炊事場？何か面白いものでも見つけたの？」
松倉「あのね！俺たちのうどんの教本見つけたのー！」
川島「俺たちのうどん？」
松田「見て見て！」
開かれた教本を見て見ると、そこには「きつねうどん」の作り方が載っていた。
成程、確かに子狐2匹のうどんと言っても差し支えがない。

川島「これが食べたいの？それなら俺が作ってあげるよ」
松田「だめー！！俺たちが作るの！！！」
松倉「のえるが作っちゃだめなのー！！」
川島「えぇ…」
少ししょんぼりとしている川島を差し置いて、松倉と松田は炊事場へと駆け出した。

乾麺があるかと探してみるが、どうやら見当たらない。
残念ながら手を抜く事は許されなかったようだ。
小麦粉と水と塩を用意したところで、松倉は腕を組むと「ごほん！」とわざとらしく咳をした。

松倉「いいかね元太くん！うどんを作るにはコシたるものが必要なのだ！」
松田「コシ！」
松倉「ここに粉と水と塩がある！」
松田「粉と水と塩！」
松倉「これを少しずつ混ぜて麺の素材にするのだ！」
松田「するのだー！」

2人でこねこねと混ぜながら数分。
いつも団子を作っている側の松倉に教わりながら、打ち粉も着けて少し生地を休めている間に具を作る方へと移動する。