自慢の彼女【及川徹】

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菅原side



「菅原さん！」



今日１日の練習が終わり、家までの帰路へとついていると後ろから影山が追いかけてきた。



「今回は俺自動的にスタメンですけど、次はちゃんと実力でスタメンとります！」


「え！？」

「え？？」


「いや、影山は俺なんか眼中にないと思ってたから」

「なんでですか？」


「体格も実力も断然お前の方が上だろ？」


「経験の差はそう簡単に埋まるもんじゃないです…」



影山が俺なんかをちゃんとライバルとして見ていてくれていることがとても嬉しかった。
初日にあれだけ自信満々にいられると、なって当たり前とでも思っているものだと思っていたが、どうやら違ったようだ。



「それに…他のメンバーからの信頼とか…」



おお…
中学のあの試合相当応えてんだな、本人的に…



「俺、負けません！」


「うん、俺も負けない！」




「スガさーん大地さんが肉まん奢ってくれるって」



天才とも呼べるであろう影山に負けないと言われるなんて思ってもみなかった。
俺はきっとお前に勝てているところなんてないだろうけど、正々堂々と戦うって決めた。
俺にだって出来ることがあるはずだから。


「でもさ、青葉城西って北川第一の選手の大部分が進む学校だよな？」


「ああ、まあそうっすね」


「いや、やり辛くのかなって」


「？同じチームなら考えますけど…
やるなら全力でするだけです」


俺の不安はどうやら取り越し苦労だったようだ。


「でも、いいんすか？スガさん」


武田先生の時もだけど、ずっと俺のことを心配してくれている田中。
本当ガラは悪いのにいいやつでしかないよな。


「そりゃあ悔しいけど…
影山が中学と同じだと思ったら大間違いだって見してやりたいじゃん！」


「そうだな、怖いのは影山単品じゃないってこと見せてやろう」


「なあ、日向」と大地が振り向く先には、肉まんを誰よりも先に頬張る姿。
何先に食ってるんだと田中と影山が騒ぎ立てるせいで、坂ノ下商店のにいちゃんが出てきてうるさいと怒られたけど、これからこのチームでやっていくことがとても楽しみに思えた。



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