自慢の彼女【及川徹】

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「「ふぁ〜〜あ」」



授業中も休憩中も眠たい時間が続く。




「眠そうだな、お前ら」




ギクッ！！！！！




「い、いやあ、勉強のしすぎかな〜」


「わ、わたしも」





「………まあいいや、今日から別の入部の１年が２人来るから覚えておいてくれよ」




そういって大地はその場を離れた。
焦った。ばれたかと思った。
ここでばれてしまえば今までの努力が水の泡だ。

潔子にもさっき「なんでそんなに眠そうなの？」と聞かれたばっかりだった。


このままではばれてしまう。
しっかりしなければ。




ーーーーー勝負の日は明日。



*




今日入部した２人は予想以上だった。
簡単に言えば、即戦力。
烏野にあそこまでのタッパの持ち主はいない。


田中はすぐに威嚇をしていたが、スガ曰く初対面のやつは気に入らない習性らしい。


あと気になったのが、影山の大人しさ。
スガに言われるまで気付かなかったが、確かに中学の試合を見たときはもっと自信家で破天荒のイメージがあった。



「どこがっスか！？クソ生意気じゃないスか！」


「お前に聞いたのが間違いだった。なあA」


「確かにね。聞いた話なんだけど、影山って天才なのに努力も惜しまないくらいバレーが好きだから、それが仇になったんじゃないかって」


「仇？」


「うん、コート上の王様って知らない？」


「なんとなくでしか」


「私も詳しくは教えてもらえなかったんだけど…」


結局、コート上の王様の意味を解明することも出来なかったし、影山が大人しい理由も分からずじまいでその日の練習は終わってしまった。

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