我が道を行こうと思ったら攻略対象全員敵とかやっぱりベタすぎて笑えないんですけど。

笑えない44 ページ2

「……様っ……お嬢様！」


！！


『あ……カイ…』


気がつけば目の前にカイの顔。
あれ？私……なんか夢見てた？


「大丈夫ですか？随分魘されていらっしゃいましたが。」


魘されてた？そんな夢を見ていただろうか。


『……』


「お嬢様？まだお加減が優れませんか？」


『あ、ごめんなさい。大丈夫よ。何か夢を見ていた気がするのだけど……。』


「……そうですか。」


夢を見ていた。何か忘れてはいけない夢を。


“忘れないで”


『あ……里奈……』


そうだ、絶対に忘れないって約束したのに。早速忘れかけるなんて。


『また怒られる……。』


「どうかなさいましたか？」


『ううん。なんでもないわ。
それより、もう夕飯の時間かしら。起こしに来てくれたのよね？』


「はい。もうそろそろお支度なさった方がよろしいかと。」


『ありがとう。それじゃあ行きましょうか。』


「ええ。」


こんな時、深く聞いてこないカイの優しさに救われる。


カイはまるで私の心を読むかのように完璧な対応をしてくれる。


私のお付きが彼で良かったといつも思う。


里奈、私こっちで里奈みたいな人を見つけたよ。だからさ、里奈も難しいかもしれないけど、そっちで私みたいな変人見つけてまた楽しくやってよ。


“バイバイ。またね。”

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