◎ ページ31
-ひかる-
何気に山田のウチって初めてかも。
インターフォンを鳴らすと
しばらくしてガチャ、とロックが外れて
「いらっしゃい、知念くん、ありがとう〜」
力無い声が出迎えてくれた。
「具合はどう？」
「まだちょっとふらふらするかな…」
「でも僕が来たからもう大丈夫だよ！」
「そうだね(笑)」
「それに今日はひかもいるから！」
「…え？」
「こんばんは。」
ドアの陰から俺が覗くと
それはまぁびっくりした顔で。
「え、あっ、
涼介からは知念くんが来るとしか
聞いてなかったから…
わ、どうしよう！私、すっぴん！！！」
え。そこ？(笑)
思わず笑っちゃった。
「大丈夫だよ、A全然変わんないじゃん。」
「変わるよ！なに言ってんの知念くん！
全然わかってないっ！！」
「あーはいはい、ごめんって。
大きい声出すと熱上がるよ？」
Aちゃんの頭をぽんぽんと撫でて
「ほら、おふとん行こう？」
って誘う知念は、Aちゃんの扱いに
とても慣れているらしかった。
いや、何なら慣れすぎてた…！
だってそのあとも
ベッドに座ったAちゃんの
おでこにおでこくっつけて
「ん〜、やっぱり熱あるなぁ…」
とかしれっと言ってるし。
Aちゃんの首元を撫でたと思ったら
「汗もかいてるし、着替えた方がいいね。」
って。
いやそれ、触んなくてもわかるだろ。
その距離の近さに
正直、俺はびっくりで。
だって仮にも人の、山田の、彼女なんだろ？
そういうのっていいんだっけ？
でも驚いてるのは俺だけで
素直に従うAちゃん。
あれ、これっていつものことなの？
これって普通？
俺がおかしいの？って感じ。
ぽかんとして動けない俺を残して
その間にも知念は
「涼介、開けるよ〜」
って、いない家主に一応の断りを入れて
クローゼットを開いた。
中は整理されていて、そしてほぼ真っ黒。
まぁ山田らしいっちゃぁらしいか。
「んー、これでいっか！」
知念がクローゼットから
黒い無地のTシャツを取り出して
「とりあえず上だけでも着替えよ？」
Aちゃんに手渡すと
素直にこくん、とうなずく。
「さ！その間にひかにご飯作ってもらおー」
何もできないままの俺は
知念に背中をぐいぐい押されながら
寝室を出た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るりタピ - 作者さん！リクエストです！私BTSもHeySayJUMPも大好きなのでこの作品みたいに涼介君の彼女設定で伊野尾担ではなく！BTSのファンで推しがグクっていう設定の作品がみたいです！楽しみにしてますね！！応援してます！頑張ってくださいね！ (2019年11月11日 17時) (
レス) id: 31cf6c9d44 (このIDを非表示/違反報告)
ののは - この作品、何回読ませていただいたか分からないくらい読みました!!私自身が涼介担なので憧れるシチュエーション満載でいくら読んでも飽きません。更新楽しみにしています!!こんなに幸せになれる小説を書いていただき有難うございます!!応援しています!!頑張って下さい!! (2019年10月9日 17時) (レス) id: 9d1605ed86 (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - canonさん» わぁ！ありがとうございます！このお話きっかけでJUMPファンになってくれる方がいるなんて！信じられない！！嬉しいです（泣）これからもぜひやまかのをよろしくお願いします♪ (2018年10月13日 11時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
canon - 結構前にこの作品を見つけて、ちょくちょくみにきています！初めはhey say jumpのことはあまり知らなかったけど、この作品からファンになってしまいました！すごく文章力があって尊敬します！ (2018年10月10日 23時) (レス) id: 4316914a30 (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - 優樹菜さん» 返信遅くなりすみません！泣 「一番」のお言葉、嬉しいです！ありがとうございます(^^)こうしてコメントいただけるだけで作者の活力になりますよ！またぜひ遊びに来てくださいね♪ (2018年3月22日 1時) (レス) id: f6efde662b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいと
| 作成日時：2016年7月28日 21時
