まいはうす。 (ページ4)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:102,480 hit

★想うキモチ。ページ4

光side.

朝、今日はいつも早い裕翔よりも早く

この家で１番早く目を覚ました。

.

.

.

.

.

...はずだったんだけど。

微かに物音が聞こえてきて

どこからだろうと家の中をうろうろしていて

たどり着いたのはある部屋の前。

知念の部屋??

小さくだけれど

ずっとしている物音が気になってドアを開けると

ベッドに寝転がったまま

落ち着かないように寝返りを打つ知念。

物音の正体かこれか。

.

.

.

.

.

八「どうした??」

知「...ん、」

.

.

.

.

.

電気のついていない薄暗い部屋では

遠くからでは気づかなかったけれど

近づいて分かったのは

知念の頬がいつもよりも赤く染まっていることと

息が上がってること。

.

.

.

.

.

八「ちょっとごめんなー...。」

.

.

.

.

.

あっちぃな。

額に触れたら予想通り、とでも言うべきか。

知念は熱を出していて。

冷えピタとかタオルとか

何か持ってきてやろうと思って立ち上がったとき。

.

.

.

.

.

知「ひか...る、くん。」

.

.

.

.

.

今まで寝苦しそうにしてた知念が

目を覚まして。

小さな声で俺を呼ぶ知念は、いつになく弱々しかった。

差し出された手を握ってやれば

力なく握り返してくる。

.

.

.

.

.

八「大丈夫か??どこか痛いところある??」

知「あたま、痛い...。」

八「そっか。薬あったかな...

　ちょっと探してくるわ。」

知「...や...。」

八「ん??なぁに??」

知「行っちゃ、や...。

　ここに、いて...。」

八「...うん。ここにいる。」

.

.

.

.

.

そうだよな。心細いよな。

ほんとは看病してやりたいんだけど

今にも泣きそうなこいつをひとりになんてできない。

.

.

.

.

.

八「大丈夫だからなー。

　 ...ほんとに熱いな。」

.

.

.

.

.

しばらくして寝息が聞こえてきたけど

その手はしっかり俺の手を握ってて

それが可愛くて。

思わずひとりで笑っていたら、裕翔が入ってきた。

.

.

.

.

.

中「あ、やっぱり光くんいた。

　どーしたの??」

八「あ、裕翔。」

.

.

.

.

.

ベッドを覗き込んだ裕翔は

何も言ってないのに全部理解したみたいで

「何か要りそうなもの持ってくるよ。」

と、部屋を出て行った。