152話 夢主SIDE ページ7
ゲート狭いな、なんて思いつつ一番に切り抜ける。
個性ナシでの体力面の問題はほとんどないから普通の障害物競走ならどうとでもなる。
……しかしこれは次世代のヒーローを見出す、大切な戦いでもある。
個性ありなら、ぼくを抜かす奴なんてたくさんいるだろう。
まあそうさせないようにするのが、この競技でのぼくの課題だけど。
……と、後方から若干の冷気。
ぼくは即座に前に進み、距離をとった。
「最初の振るい」
紅白頭か。
「すっげ。 最初から飛ばしてんな」
走りながら紅白頭にそう言葉を向ける。
紅白頭はキョトン、としながらそりゃあそうだろう。 とぼくの一歩前を走った。
……おやおや、ぼくの言ったこと気遣ってやってくれているのね。
偉いなぁ、なんて思いながら加速し、追い抜く。
「悪いけど、今回は“そういう”気遣い…いらないよ。
ぼくも勝ちにいくからねえ」
ぼくや勝己にいうならまだしも、緑谷に宣戦布告したのが少し気に入らなかった。
ぼくのちょっとした意地。 許してね。
「ッ、個性ナシ、で走ってんだよなお前」
紅白頭も意外と負けず嫌いなのか、すぐにぼくを抜かす。
うーん、さすが推薦入学者と言った所か！
ぼくは個性は使う場面になったら使うよ。 と笑った。
「にしても容赦ないねえ。
氷結で妨害、か。 ぼく的にはライバルが減って有難いけど」
―――“アイツら”には、効かないんじゃねーの？
ぼくがそう言うと、紅白頭は後方に少し目を向けた。
「甘いわ、轟さん！」
「そう上手くは行かせねぇよ、半分野郎!! つーかAと並んでんじゃねえ!!!」
「あっはは、うるさい連中が来た！」
高笑いすると紅白頭は少し不機嫌そうにムッとした。
クラス連中は当然として思ったより避けられた。
……そういわれれば確かに抜け出している奴らも割といる。
…と、地面に小さな影が映った。
……上？
顔を上げると物凄い剣幕の腐れブドウ。
紅白頭の裏の裏をかいてやった、ざまぁねえ！
そう叫んでもぎもぎを手にする。
ぼくは頬をかすめた風に違和感を覚え、腐れブドウから視線を走行前へと向けた。
そして、あ。 と声をもらす。
「くらえオイラの必殺」
「腐れブドウ、危ねー…」
「GRAPE…アッ」
「……ぞ、って。 遅かったか」
吹き飛ばされる腐れブドウ。
言うのが遅かった。
この競技の文字通りの障害物。
「ロボ・インフェルノか」
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りん(プロフ) - 主様はなんでこんなに絵が上手いのでしょうか (2021年4月10日 21時) (
レス) id: 09351e94e4 (このIDを非表示/違反報告)
庵 - 続編オメデト。気に入ってるカラ、更新頑張ってヨネ。 (2017年10月1日 3時) (レス) id: 781a67beb0 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - いつも見させてもらってます！ゆっくりでもいいので是非更新期待してます（≧∇≦） (2017年9月24日 23時) (レス) id: 838bf855a6 (このIDを非表示/違反報告)
暴君ネロ皇帝(プロフ) - ずっと待ってます この作品大好きなのです (2017年9月24日 22時) (レス) id: bf4d7ee0c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！！更新ずっっと待ってますので！！なんの理由かはわからないですが、頑張って(?)ください！！(何があったのかわからないのでこの言葉が不謹慎出ないといいのですが…) (2017年9月24日 19時) (レス) id: 6961a8d2ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年9月19日 22時
