episode36 ページ38
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『本当にごめんなさい』
私はジホ君の隣に立ち、深く頭を下げた。
ジホ「僕は大丈夫ですから、頭を上げてください」
『でも……』
メンバーがあんな酷いことをしたのだ。
簡単に許してもらおうなんて思っていない。
ジホ「ジョングクさんに嫌な思いをさせたのは僕ですし」
『違うよ!』
あくまでも自分が悪いと言い張るジホ君。
本当に大人でグクや他のメンバー、そして私とも違う。
ジホ「ふふ、大丈夫ですよ。」
『…本当にごめんね。』
もう一度頭を下げるとジホ君の明るい声がした。
ジホ「Aさんらしくないですよ!僕はAさんのファンなんですから」
『ヌナって呼ばないの?』
ジホ「Aさんを慕ってる兄妹沢山いらっしゃるようなので」
グクのために気を使わせるのは嫌なのに、彼はそれ以来私をヌナと呼ばなくなった。
『……そんなの関係ない。それに、私はグクを許せないよ』
ジホ君が許してくれたところで、私の怒りはおさまらない。
グクがちゃんとジホ君に謝るまでは絶対に許さない。
ジホ「Aさん、僕嬉しかったです。友だちって言ってくれて。なんか……、こう、本当に、嬉しかったです!」
『よかった。気にしなくていいから、また何かあったら連絡してね』
ジホ「はい!!Aさん、ジョングクさんのところ行ってくださいよ」
最後の最後まで優しかったジホ君は、私をレストランの外に押し出して笑顔で手を振った。
ジホ「また現場で会いましょ!」
私はただ頷いて宿舎に帰った。
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作者名:はなび | 作成日時:2019年3月15日 1時