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ポケットに入れているスマホが震えている。
きっと宮田だろう。
じゃなければミツかわったーかな。
玉「…んっ………」
電話に出たくても出れない。
意識はまだハッキリしているのに
視界は歪んでる上に狭くなってきた。
…ぼやけてるし。
何だか寒気がするし。
身体に力が入らない。
あぁ、俺ここで死ぬんだな。
このまま死ねるんだ。
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北「…おい、玉森っ…!」
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あれ?
おかしいな、ミツの声が聞こえる。
大きな声出して…どうしたんだろう?
また二階堂と千賀が怒られてんのかな。
そっか、これ夢か。
いつもの様に楽屋で
宮田をいつものようにイジって
二階堂と千賀がどうでもいいことで騒いで
そんな俺らを横尾さんとガヤが笑って見てて
そんな俺らををミツが
「お前ら…いい加減にしろーっ!」
って一喝するんだ。
……なんて幸せな夢なんだろう。
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北「夢じゃねーよ」
玉「………え?」
北「勝手に死んでんじゃねぇ!」
玉「……っ…ミツ?」
目を開けると、ミツがいた。
北「今から病院行くから、ちょっと動くぞっ」
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俺、何されてんだろ。
大の大人にもなって
3歳にもなる娘がいる男が
よりにもよってお姫様抱っこだなんて…
やめろよ。降ろせって。
別に俺ここで死んでもいいんだから。
そう言いたいのに声が出ない。
力を入れてどうにか降りようとするが
力を入れれば入れるほど、力が抜ける。
寒い…どうしようもなく寒い。
手足が真冬に晒されたように冷たい。
体はぶるぶると震えている。
せっかくミツが助けに来てくれたけど
俺もう手遅れかもしれない。
多分、助からないから。
ごめんなさい、A。
裕音を最後まで見れませんでした。
ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
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僕 - この短編集作って欲しいです (2020年1月26日 13時) (レス) id: 4dd29c1c3e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴ(プロフ) - 1話読み切りだから寝る前に少し読もう〜と思ったのが間違えでした…号泣してしまいました…。明日目が腫れないか心配です。それほどに号泣してしまいました。少し前のお話ですが、ぜひ続編が見たいです。このお話に出会えてよかったです!また読み返したいと思います! (2019年9月22日 1時) (レス) id: 164f02b943 (このIDを非表示/違反報告)
もっちさん - 玉ちゃんの完成おめでとうございます、ほっこりしました。パパぷりにぃ、また次も頑張って下さい。次も応援していますよ (2018年3月6日 6時) (レス) id: 46a57710d1 (このIDを非表示/違反報告)
玉森ゆみ - 続編みたいです (2017年6月17日 23時) (レス) id: cbf648f796 (このIDを非表示/違反報告)
のんたま - 完結おめでとうございます! すごく楽しませて頂いました。本当にありがとうございました! これからも頑張って下さい!!!!! 応援してます 続編も出ちゃったりしちゃったら幸せです... (2017年6月15日 22時) (レス) id: 65ba3f2e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕莉 | 作成日時:2017年3月12日 17時