26.北山side ページ26
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『宮っち』
風呂から上がり
震えているスマホに目をやると
珍しい人物から電話がかかってきていた。
スマホの振動が消えると
すぐにまた宮田からの着信。
北「嫌な予感って当たるもんだよなぁ…」
出なくても分かる。
きっと玉森に何かあったんだろう。
北『宮田?』
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せっかく風呂に入ったのに
俺の身体はもうビショビショに濡れていて
少し、憂鬱になってしまう。
でも、そんなことは言ってられない。
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北「玉森…どこにいるんだよ…」
負けず嫌いな玉森。
逃げるのが大嫌いな玉森。
その玉森が、Aさんがいない現実から
逃げようとしている。
なんで俺に話してくれない?
俺は頼りにならないってか?
アイツは、逃げないと思ってた。
どんな難題を出されても
出来ないと言ったことはなかった。
今回のことも…きっとアイツなら。
でも俺はアイツのことを
買いかぶりすぎてたみたいだ。
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北「玉…?」
深夜の真っ暗な病院の前に
1人ぽつんと、座っていた彼は…
帽子も被らず、マスクすらしていない。
ただぐったりと、柵に身を預けている。
北「玉森…っ!」
声をかけてみても
身体を揺すってみても
彼は返事をすることも
視線を俺に向けることもしない。
北「……っ…」
玉森の身体を揺すった時についたのか
俺の手にはべったりと赤い液体がついている。
北「おい、ふざけんな……勝手すぎるだろうが…っ」
ふざけんなよ。
お前まで逝くなんて許さない。
頼むから。
俺に何か出来るなら何でもするから。
コイツを殺さないでくれ。
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僕 - この短編集作って欲しいです (2020年1月26日 13時) (レス) id: 4dd29c1c3e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴ(プロフ) - 1話読み切りだから寝る前に少し読もう〜と思ったのが間違えでした…号泣してしまいました…。明日目が腫れないか心配です。それほどに号泣してしまいました。少し前のお話ですが、ぜひ続編が見たいです。このお話に出会えてよかったです!また読み返したいと思います! (2019年9月22日 1時) (レス) id: 164f02b943 (このIDを非表示/違反報告)
もっちさん - 玉ちゃんの完成おめでとうございます、ほっこりしました。パパぷりにぃ、また次も頑張って下さい。次も応援していますよ (2018年3月6日 6時) (レス) id: 46a57710d1 (このIDを非表示/違反報告)
玉森ゆみ - 続編みたいです (2017年6月17日 23時) (レス) id: cbf648f796 (このIDを非表示/違反報告)
のんたま - 完結おめでとうございます! すごく楽しませて頂いました。本当にありがとうございました! これからも頑張って下さい!!!!! 応援してます 続編も出ちゃったりしちゃったら幸せです... (2017年6月15日 22時) (レス) id: 65ba3f2e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕莉 | 作成日時:2017年3月12日 17時