玉森くんの隠し子

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玉｢どう？新曲出来た？｣







昨日から7人で長崎に泊まって撮影中。




小さな駅に降り立った俺と千賀は

機材のセット待ちで暇を持て余していた。







千｢うん、今回の曲はね。

玉のことをイメージして作った！｣



玉｢え、マジ？何で？笑｣



千｢俺ね、最近の玉のことさ｣



玉｢あ、ごめんちょっと待って｣








ぷるるるるる、となるスマホ

画面を見ると、それは病院からだった。









玉『はい、もしもし？』



病『もしもし、一ノ瀬さんの旦那様でしょうか？』



玉『…そうですが？』



病『今から来れませんか？』









それはまるで、ドラマみたいな会話だった。









千｢誰から？病院？｣



玉｢うん、容態が急変したって…｣



千｢えっ、早く行かなきゃ！｣



玉｢何で？｣



千｢何でって…急変したんでしょ!?｣



玉｢…今は仕事に集中する｣



千｢でも…っ！｣



玉｢大丈夫、夜には向かうから｣








大丈夫、Aは大丈夫。

そう自分に言い聞かせる。





Aは、仕事してる俺が好きなんだって。

キラキラ輝いてる俺が、好きなんだって。









ス｢カメラOKです！｣



玉｢準備出来たって。千ちゃん、行くよ？｣



千｢うん…｣









約束したんだ。



もう、アイドルでいることを辞めよう

だなんて2度と思ったりしないから

Aも病気に負けるだなんて思わないって。









玉｢………っ……｣









俺はAを信じてる。




そう思ってるのに

俺の手は情けないほどに震えてしまう。




君がいなくなることが、どうしようもなく怖い。









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