玉森くんの隠し子

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A｢え、裕太くん？｣



玉｢…っ…A、久しぶり｣








君の優しい声も、可愛らしい笑顔も

あの頃と何も変わっていないのに…






なんでかな？

今の君を目の前にして

どんな顔をしたらいいのか分からない。






俺は今、ちゃんと笑えてるんだろうか？








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A｢よくここが分かったね？笑｣



玉｢ミツがね、調べてくれた｣



A｢ほぉ、芸能人はそういうことまで分かるんですかぁ〜｣



玉｢何そのキャラ笑｣









会ってない4年間の話を

Aは、たくさん話してくれた。





4年ぶりに会った君はいつになく元気だ。

いや、そう見せてるのかもしれない。









玉｢ね、病気なの？｣









楽しそうに話をしていた君は

固まって、ゆっくりと俺を見た。









A｢うん、そうみたい｣



玉｢…治るよね？笑｣









俺の目を見てハッキリ言うA。





俺はAが今から言う言葉が

もうその時、なんとなく分かった。









A｢私、後少しで死ぬの｣









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玉｢……冗談止めなって｣



A｢ごめんね、裕太くん｣



玉｢なんで謝んの？｣



A｢いつかは話さなきゃって思ってた｣



玉｢話さなくていいよ｣



A｢裕音をいきなり預けてごめんね｣



玉｢別にいいから｣



A｢検査入院って言ったのは本当なの。

でも、検査結果があんまり良くなくて
このままずーっと入院することになっちゃった。｣








ねぇ、なんで笑うの？

なんで笑って話せるの？







A｢喉にね、癌が見つかって…

検査をした段階ではもう、
体の色んなところに転移してたんだって｣



玉｢治療は…？｣



A｢ここまで来ると、もう出来ないって｣



玉｢…病院変えよう、ね？

ここの病院では治療が出来ないだけで
他の病院だったら出来るかもしれないし！｣



A｢裕太くん…｣



玉｢お金なら俺が全部出すから！｣








認めたくない。

君が病気だなんて、死ぬだなんて。






俺は大切な人が消えていくのを

黙って見てるなんて、もう嫌だ。






どうか、もう1度俺にチャンスを。









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