Confusion 2 (ページ50)

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中村くんのじゃない？
それならなんで渡してきたの？しかも私に。

「その人、私の名前知ってたんだけど」
「え、」
「中村くんじゃなくて、私に名指しで来たの。なんで？」
「まじかよ…」
中村くんが頭を抱える。

「ねぇ、どういうこと？その人何なの？」

「……ごめん」
中村くんが言いにくそうに話し始めた。

「あいつは、まぁ…前にちょっと遊んでて」
「……」
「最近はそういうのやめてたんだけど、向こうが俺にマジになっちゃったみたいでしつこくて」
「……」
「で、好きな人いるからって言っても納得してくれなくて」
「…そういうこと」
「でも俺、あいつにAのことなんて話してないし、まず職場も教えてない」
「じゃあなんで来たの？」
「んー、多分コウタだな」
「誰？」
「コウタっていう俺の友達がいて、そいつには職場に好きな人がいるって話はしてたんだよね…でも誰にも言うなって言ったんだけどな」
「つまり、私のことがムカつくから、職場聞き出してこれを中村くんとのペアリングって嘘ついて渡してきたってこと？」

そう言うと、中村くんが申し訳なさそうな顔をした。

「ごめん…A」
「別にいいけど、また来たりしたら…」
「俺からちゃんと言っとくから、もうこんなことすんなって。指輪も返しとく」
「うん…」
「ほんとごめん。Aには迷惑かけないようにする。もしまたなんかあったらすぐ言って？」
「わかった」

中村くんが、はぁ…とため息をついた。