ミーハー女子、ヒロインの座を奪いました。

奪いました。 ページ6

「あ、…赤司君、なんにも…ないから……大丈夫」


弱弱しく、儚く喋る。

だってそっちのほうが魅力的でしょ?


　

どこかの小説の、可哀想で可哀想で堪らない悲劇のヒロインみたいで

まぁ、私はそんなものじゃないのだけれど




ほら、虹村先輩が顔を赤くしてる。




「何にもないって……はぁ、俺言ったよね?いじめられても隠さないでって、溜め込むから朝だって溢れ出ちゃったんだろう?」



私が朝、クラスメイトに怒鳴ったことも、上手く混ぜて
赤司君が真剣に、怒ったように、計画どうりに喋ったら。



それに虹村先輩が反応する。



「は……こいついじめられてんのかよ」


「はい。一番に気づいたのが俺で、」




おい、お前たちと言って赤司君がキセキを呼んだ。


四人とも会話に耳を傾けていたからか、さっと集まった。



「黄瀬は…まぁいいか、とにかく朝にこのメンバーと桃井、黄瀬、愛坂には言いました。それと、これは今日知ったんですが、桃井が、九條さんはバスケ部の人にいじめられていて、内容は暴力を中心だということを言っていました。」



「バスケ部?はぁ、腐ったやつがいるもんだな。おい、九條本当か?なんで言わなかった」




言うわけないじゃん、やられてないんだからさ


あぁ、ほんと私って性格悪いなぁ

でもしょうがないじゃない。


自然とどろどろとな感情が溢れてきちゃって


仕方ないでしょ


ね?



そんなことを考えながら、自分を現実へと引き戻す。



「だって……ッ言ったらバスケ頑張ってる皆に、 迷惑がかか、るから」


首を縦に振って静かに涙を流したら、


ほら、



今この場だけは、私が主人公



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