狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が31匹〜五条悟〜 ページ38

『…そういうの、興味無いので』



ふい、と顔を背けると相手は途端に機嫌を悪くする
α特有のプライドの高さだ


「番もいねぇΩが口答えするんじゃねぇよ」



『っ！』


ガッと首を掴まれる
Ωのほとんどは非力、それは俺も例外じゃない
相手の手首を掴むがビクともしない


「はっ、やっぱり新品か」




男の指がチョーカー越しにうなじに触れる
ゾワッとした気持ち悪い感覚がする

Ωにとってうなじは左手の薬指よりも大事なところだ
そこに不躾に触れるなど、さすがに俺も黙っていない



『…っ、離せ！』



思い切り相手を睨みつける
すると動かなくなる男の体

怒り、嫌悪、恐怖_
感情に任せて動く



『狐火っ…！』


ざわ、と雰囲気が変わった俺を見て男は恐怖の表情を浮かべる









五「はい、ストップ」



その声と共に首にあった手は離れ、後ろから視界を大きな手で遮られる
ふわっと知っている匂いが鼻を掠める



『…っあ』


五「落ち着いて、ゆっくり深呼吸」




フーッ、フーッ、と威嚇で荒ぶる息を落ち着かせようと悟は体を密着させる



五「で？今すぐに僕らの視界から消えるなら許してあげるけど？」






五「…それとも、本当にここから消してあげようか」



悟がそう言うと、バタバタという足音が遠ざかっていく
男は店を出ていったようだ

少しだけ安心して呼吸を落ち着かせる



五「落ち着いた？」


『…うん、ありがと』


視界を遮っていた手が退く
一気に明るくなったからか少しチカチカする



五「おバカ」


『い"っ』


頭にチョップを落とされる
勢いつけやがったっ…



五「目を離した僕も僕だけど、1人になるな、ってあれほど言ったよね？」



『〜〜っ、だって気づいたら1人だったから』

五「問答無用」


そう言って容赦なくキスを落としてくる
躊躇なんて一切ない、人目も気にしない



『ん"ーっ…』


五「はぁっ…あんな奴に触られたとか、ムカつく」


すり、とうなじに触れる
体は反応するが嫌悪感はない
むしろ安らぎすらある


五「悠仁達でもギリギリ許してるっていうのに、他人とか…」



ぶつぶつと文句を言う悟
よほど気に入らないらしい
…わかるけど


五「あー…イライラする、こうなったら触れたやつに電流が流れるやつとかにして…」


『絶対やめて』


『…悟の色した首輪が欲しいかな』



不機嫌な悟を落ち着かせるように言うと、パッと俺を見る悟
そしてにんまりと笑った後に「任せて」と言って俺を抱き上げた

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