狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐とチョコレート1 ページ29

2月14日
世は賑わうバレンタイン


俺も例外ではなく
皆に渡そうと思って用意したチョコレート
と言っても大量生産できて日持ちするマドレーヌの生地をチョコ味にして作っただけなのだが





『任務が入るなんて思わないじゃん！』


急遽任務が入った
バレンタインなんてイチャイチャするやつが多いから任務がなんて入らないと甘く見ていた

逆に貰えなかった人の妬み嫉みなどや、その日に告白してフラれた人の悲しみや後悔が呪いを招き、任務が入った訳だ


『あ"ー、もうっ！狐火！！』



ヤケクソにもなる
でも許してくれ、ちゃんと祓ってるから

幸い、昨日の内に作ってラッピングまで済ませているので渡すだけだ
任務も下級ばかりなのですぐに終わりそうだ


時間を確認しながら呪いを祓っていく


_______________

思ってたよりも時間が掛かってしまい猛烈に焦る
日付こそ変わっていないが時間に余裕はない
忙しなく自分の部屋に向かう


『あーっ、早く渡しに行かな…きゃ…』


扉を乱暴に開けると机の上にはチョコレートが何個も置いてある
メモが一緒に置いてあり読んでみる

『任務お疲れ様、チョコ置いておく、…釘崎の字だ』


わざわざ部屋まで来て置いてくれたのか、釘崎のだけでなく、他の人達の物も置いてある
嬉しさが込み上げてくると同時に、日付が変わる前に何としてでもチョコを渡さなければ、と急いで皆の部屋に向かう



〜釘崎〜

扉をノックをして名前を呼ぶと釘崎は扉を開ける

釘「Aじゃないの、任務終わったの？」


『あぁ、うん…メモありがと、これマドレーヌ。日持ちするから好きな時に食べて』


マドレーヌを受け取った釘崎は意外そうな表情でこちらを見た後に笑う


釘「アンタはホワイトデーで良かったんじゃないの」


『…確かに、でもなんか渡したかったから』


少し照れながらも笑って返すと「アンタらしいわ、ありがと」と言って微笑む

釘「その様子だと、他の人の所にも届けるんでしょ。急ぎなさい」


ハッとして慌てて釘崎にお礼を言い、次の部屋へ向かう



〜真希先輩〜

ドアをノックしてみるも、返事がない。
うーん、と悩んでいる探していた本人の声が聞こえた。


真「ん？Aじゃねぇか、なんか用か？」


『真希先輩！これマドレーヌです』



真希先輩はチョコを受け取るとにんまりと笑った

真「こんな時間に菓子とは、罪深いな。ま、頂くよ、ありがとな」



真希先輩はこちらの事情を察したようで早々と見送ってくれた、有難い

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