狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が26匹〜虎杖悠仁〜 ページ33

『…そういうのいいです』


さすがにここで狐火や尾を出すのはマズイ
一般人の目もあるし、騒がしくしたくない

無難に断り、去ろうとすると相手は力任せに腕を掴み、引っ張る



『い"っ…』


「Ωごときがαに逆らっていい訳ねーだろ」



Ωごとき
その言葉に無性に腹が立つと同時に胸に突き刺さる
そんなことは俺だって分かってる

唇をギリっと噛み締める








虎「何してんの？」


『…！』


偶然通りかかった虎杖が間に入る
腕は掴まれたままだ


「は？何だお前」



虎「A、知り合い？」


『知らない奴…』


俺のその一言である程度察した虎杖は俺の腕を掴む手をパシッと払う
虎杖からしたら、払う、ぐらいの力加減だが
男は予想外の痛みに身を引く



「いって…！」


虎「お前に思い切り掴まれてたAの腕のがもっと痛かった」



パッと虎杖を見る
真剣な表情
さっきまで胸に突き刺さっていた言葉が消えていくようだ




「うるせぇな！俺はもうそいつの1晩を買ったんだよ！」


『は…？』



こいつ何言ってんだ
買ってやるとは言われたが、俺はそれを受け入れてない、むしろ拒絶した


虎杖は俺をちらりと見る
首を横に振ってみせる




虎「…それ、冗談でも笑えねぇんだけど」



ビリッと虎杖から怒り…いや、怒りを通り越した殺意を感じる
俺でも体が反応してしまう程だ

男はその殺意を感じ、「ひっ…」と声を上げ、腰を抜かす




虎「…すんませーん、店員さーん。この人体調悪いみたいなんだけど」


虎杖は男を冷たい目で見た後に、パッといつもの雰囲気に戻り店員を呼ぶ

男はもう喋る余裕もないらしい
店員に声を掛けられると急いで店を出ていった




虎「よし、…大丈夫だったか？」


『うん、…正直めっちゃ助かった』


ふ、と息を吐く
虎杖は俺の腕を優しく取り、パーカーの袖を捲る
少し赤くなってしまった


虎「うわー…あいつ思い切り掴みやがって、痛くない？」


『そこまで痛くはない、でも、…恥ずかしながらちょっと怖かった』


へら、と笑ってみせると、虎杖は俺を抱きしめ頭を撫でる
ここが人少ない場所で良かった


虎「そうだよなー…怖かったな。もう1人にならないようにな」



ゆっくりと体を離すと虎杖は俺の手首を優しく掴む
「離れないように」と言った虎杖の頬は少しだけ赤いような気がした


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『…あんな殺気出せたんだな』

虎「いや、怒りであんま覚えてねぇんだよな」

『マジか…』

1人ずつ書きます

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