狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が19匹 ページ20

絶え間なく襲ってくる快楽の中


『…っ』



狗「いっ…」



ついにやってしまった
思い切りではないが棘先輩の指を噛んでしまう
普段おにぎりの具しか出ない口から痛みを訴える声が聞こえた



今までの体の熱はどこへやら
血の気が一瞬で引く
すぐに口を離し、傷を移行しようと手を掴む

だが、その手は振り払われてしまった




『と、げ先輩…ちが、わざとじゃなくて…』



ドクドクと心臓がうるさい
拒絶？嫌悪？憎悪？抵抗？
頭の中でぐるぐると色んな言葉が回る


狗「しゃけしゃけ、こんぶ」



『大丈夫って…痕できてる…』


棘先輩は慌てて拒絶していないと言うが
指にはくっきりと噛み痕が残っている


『手…振り払ったし…俺が悪いけど』


狗「おかか、高菜」



『…！？』



先輩曰く
すぐ治されてしまうかと思ったから、痕は残しておきたいからごめんけど振り払った、とのこと


『の、残しておかなくて良い…』


狗「おーかーか！明太子！」



目に見えて嫌がる棘先輩
いや、めっちゃ嫌がるな…



狗「！…ツナツナ」


棘先輩は少し考えてから何かを閃いたような顔をして俺を押し倒した



『…ん？何で？』



狗「すじこ」



疑問で固まる俺をよそ目に
棘先輩は俺の鎖骨辺りに口付ける
チクッとした痛みが走る



『んっ…』



狗「……しゃけー」


口を離し
トントン、と首を指で指し示される
何をされたか理解し、ぶわっと顔に熱が集まる
棘先輩はその幼い顔立ちからは考えられないぐらいに妖艶な笑みを浮かべた



『ずるい』


狗「高菜？」




じじっ…、とファスナーを下ろす音が聞こえ、棘先輩の首が露わになる
普段は制服で隠され見えないところ

ごくりと生唾を飲む



そっと、口をつけ、少し舐めてから痕を残す
白い首に真っ赤な痕
自分で付けたのだが、これは中々に羞恥…

棘先輩を見ると楽しそうに笑うばかりだ




『……せんぱーい？』



ちょっとムッとしたので
ぐいー、と棘先輩を押し倒してみる
実は力自体は俺のが強い


『俺がΩだからって甘く見てません？…Ωが上になることだって、無くは無いんじゃないですか？ねぇ、αサマ』




尾をゆっくりと揺らし挑発するように笑ってみせる
妖狐の色気、見せつけてやる



『新しい扉、開いてみます…？』




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『αってなんでみんなあんな余裕あんの…』


狗「こんぶ、明太子」


『俺が余裕無さすぎ_…マジで？』

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