隣の席は女子グループのリーダーです。２

２２　ランク戦開始 ページ1

辻くんが送ってくれた日からまた数週間が過ぎて、とうとう今日がROUND8当日。


私は若干緊張しながらも、二宮隊の隊室に足を踏み入れた。





「おはようございます」


「おはよ〜、早いね」


「おはよう」





隊室には、まだ犬飼先輩と辻くんの二人だけ。


ランク戦は昼の部で、まだ今は午前の早い時間だから、始まるまで結構時間があった。





「時間結構あるけど、なんかする？」


「いえ、少しイメージトレーニングでもしようかな、と」


「？…あれ、もしかしてちょっと緊張してる？」


「……実はめちゃくちゃしてます」


「マジかっwww」





犬飼先輩の質問に、素直な気持ちを答える。


少しはわかるようになってきたらしい犬飼先輩でも、流石にそんなに緊張しているとは思わなかったらしい。


私の言葉を聞いて、こっちが驚くほど大笑いしてしまった。





「…………そんな笑いますか」


「だってwww辻ちゃんだって驚いたでしょ？」





そう言って犬飼先輩が振り向く。


私も釣られるように振り向くと、何やら机を見るように蹲って小刻みにぷるぷると震えた辻くんがいた。





「い、いや、藤堂さんは初めてなんですし、まあ、緊張しても………っ」


「いやめちゃくちゃ笑ってるしっ！あーだめだ。面白い」


「そんな笑いどころありました？」


「だってさ、Aちゃんいつもと全く変わらない様子だったからw

てっきり全く緊張してないのかと思ってたよ！」


「そうかと思いきや、めちゃくちゃ緊張してて、イメージトレーニングまで……」





そう説明されてみれば、なるほど確かにおかしな感じだ。


私も、無表情の人がその実すごく緊張してたら、笑ってしまうかも。





「………っ、ちょ、先輩たちが笑うから、うつっちゃ…っwwww」


「あ、だめだ本人に移ったちゃった……wwww」





想像してみたらだめだった。


目の前の二人が笑ってることもあって、余計に笑えてきてしまった。



そうしてストッパーのいない隊室で、私たち３人はひゃみちゃんが来るまでツボから抜け出せなかった。

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