二十一言目 ページ22
だってこんなわけのわからない病気を背負っているのだ。医者に治ることはないと言われ気休めにと言われて渡された薬も断った。
治らないのなら無駄な足掻きをする必要もないと思った。その頃は私には誰もいなかった、まだヴァリアーに入っていなかった私は1人でどこにも所属せずにやってきた。
なにもかも諦めていつ命が尽きても良いようにと覚悟したと言うのに。ヴァリアーならばその覚悟も揺らがないと思ったのに。
「あと十年も生きられない……」
記憶がないとはつまりそう言うことだろう。いなかったのなら記憶などある訳がないのだ。
スクアーロ様が私が十年後にいたと思っているのはショックを和らげる為に細工でもしたのだろう。
おかしいな、とっくに覚悟は決まっていた筈なのにヴァリアーの皆さんとお別れするのが怖い。ずっと一緒にいたいなんてすぎた願いだ。
「終わったわよ」
ルッスーリア様にそう言われて顔を上げた。どうやらぼんやりしていて時計の音を聞き逃してしまったらしい。
「っち、帰るぞぉ！」
どうやらスクアーロ様は機嫌が悪いようだ。倒し損ねてしまったのだろう。でも、相手はたった一人だったはずだ。そんなに強敵だったのだろうか。言っちゃ悪いけどそこまで強そうには見えなかったけど。
「アルコバレーノよ、私たちの猛攻撃を受けても倒れないなかったわぁ」
そっか、アルコバレーノというのはそんなに強いんだ。最強の赤ん坊とは聞いたことがあったけど、そこまでとは。そんなに強かったのなら怪我をしていてもおかしくない。私はルッスーリア様に屈んでもらった。瞬間香水の香りが漂う。私はルッスーリア様の耳元で出来る限りの大きな声を出してこう言った。
「皆さんお怪我はありませんでしたか？」
見たところなさそうだったがそれでも心配ではあった。ベルフェゴールさんは血が出てしまうと変になってしまうらしいから多分怪我をしていないのだろうけど他の皆さんはわからない。
「まあ！心配してくれてるのねぇ！嬉しいわぁ、でも大丈夫よ。誰も怪我はしてないわぁ」
そうか、なら良かった。
「A！お前の方は何もなかったかぁ？」
スクアーロ様はそう叫びながら聞いた。いや、本人は叫んでいるつもりはないのかもしれない。
「はい、言われた通りおとなしくしてました」
「明日は戦うことになるかもしれねぇ。気をつけろよ」
心配してくれているらしい、なんだか嬉しい。私は大きく頷いてスクアーロ様の隣に駆け寄った。
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部久(プロフ) - 続きが読みたいです。まだ更新やってますか？ (2017年9月4日 15時) (
レス) id: 0d4f3869ed (このIDを非表示/違反報告)
全力ウサギ - ありがとうございます（＾口＾）ノ (2016年2月7日 12時) (レス) id: 1a21b3973a (このIDを非表示/違反報告)
星桜(プロフ) - 全力ウサギさん» 返信遅れて申し訳ないです！出来る限りのことでしたら良いですよ〜 (2016年2月6日 10時) (レス) id: c21bb63eae (このIDを非表示/違反報告)
全力ウサギ - 「ボンゴレ式修学旅行」を見ったのですが良ければリクエストにやってもらえますか？ (2016年2月4日 19時) (レス) id: 1a21b3973a (このIDを非表示/違反報告)
星桜(プロフ) - 全力ウサギさん» はい！ありがとうございます！ (2016年2月1日 7時) (レス) id: cc8d47ffae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒桜 | 作成日時：2015年1月25日 8時
