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「――君は一体何者なんだ」
普段の飄々とした、人を小馬鹿にした態度とは全く異なる視線でじっと見詰められる。何時になく真面目な表情、微かに強張ってる体。声音からも判断するなら感じ取れるのは緊張だろうか。
「真祖だよ。始まりの吸血鬼、とも言えばいいのかな？」
「始まりの吸血鬼……？」
「あれ？」
これは誤魔化さずに答えよう、と思った私の出鼻を挫くような御国の困惑した顔。人の膝の上でとぐろを巻くジェジェを撫でつつ御国を促した。先に話を聞いた方が早そうである。
「……Aに渡された紙に書いてあった本は全部目を通した。まだレイさんも手は出して無かったゾーンだったから残ってたよ。英文は念のため取り寄せて貰って確認した。
古文英文、どちらも読んだ。お陰で何回か徹夜したけど……。古今東西の文書にAらしき人物の事は何度も見た。Aが選んだんだから当然かもしれないけど」
「まあね。古文が解読出来れば及第点だったのだけど。本当よく頑張ったね」
「……『あの怪物を飼い慣らしたあの国に勝目はない。今更ながら同盟を受け入れなかった事を悔いている。この国は終わりだ。アレに勝てる人間など存在しない。願わくばあの小娘の寿命が切れることを』。
取り寄せた中の一部を訳したやつだね。レイさんから度々Aが凄い魔術師だって話は聞いてた。修平からも、癪だけどジェジェからも色々。
他の本も似たり寄ったりだ。『怪物』と称される一人の女の子魔術師。その子が居るからある国に勝てない。けれどその子を殺すことも出来ない。たかが一介の小国が何故今になって魔術師を投入してきた、そもそもアレを人間として扱って良いのか。とか？
動揺、困惑、憤り、懺悔……。流石のオレも読んでて具合悪くなりそうだったね、あれは」
「至って普通の文書しか読ませてないと思うよ」
この話をするために御国はあまり料理に箸を付けなかったのか、と如何でも良いことを考えながら不思議そうな表情の御国に向かって彼が読んだであろう本のタイトルを全部言ってやった。
私はピックアップした上に、さらに御国が幅を広げても良いようなものしか選んでない。さっき言った通り、真っ当な本。
御国なら大丈夫だろうと思っていたが、割りと繊細だったらしい。知ってたけど。
この子は良くも悪くも頭がいい。普通の子供よりは人の欲の醜さを知っている。だから読ませた。
自分の知ってる事以上の物があるんだと教えるために。
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みゃあ(プロフ) - 御那さん» 貴重なご意見ありがとうございます！参考にさせていただきます。 (2016年9月26日 13時) (
レス) id: 2a2053fa34 (このIDを非表示/違反報告)
御那(プロフ) - 私的には、「うわぁ描写が細かすぎるマジすげぇ！私絶対出来ないな〜」って感じでしたよ！くどいと思ったことはありませんが、もう少し簡潔でもいいかと思います。私なんか、夢主が読み取った部分を簡単にしてるだけですから(笑) (2016年9月24日 7時) (レス) id: ff4ef398e2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃあ(プロフ) - 朱泉さん» いえいえ！ 私の不注意が原因なので謝らないでください。今後何かあったらお願いします！ (2016年6月24日 20時) (レス) id: 2a2053fa34 (このIDを非表示/違反報告)
朱泉(プロフ) - みゃあさん» でしたよねwあぁ、あれかとスルーしてしまいスミマセンでした´д` ; (2016年6月24日 19時) (レス) id: 099a3d0a3a (このIDを非表示/違反報告)
みゃあ(プロフ) - みーおさん» ありがとうございます、訂正しておきました。活字中毒ですね分かります←。勉強してくださいww頑張ります (2016年6月24日 10時) (レス) id: 2a2053fa34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゃあ | 作成日時：2016年5月28日 16時
