肆話 ページ4
地下室を出るともう朝だった。
よくわからない道を歩いていると、仕事をサボっている太宰に出くわしたため、一緒に会社まで行くことになった。
「芙美子、なんかいつもより元気ない?」
「そんな事ないわ。私はいつも通りよ」
そう云って太宰に微笑んで見せるが、どこか疲れた顔をしている。
そんな芙美子を見て、両頬を引っ張った。
「......ふぁにふるのよ」
両頬を引っ張られているため上手く舌が回らない。
「芙美子が可愛くて、つい」
「ふぇをふぁなひなはい」
「何言ってるか判んな〜い」
楽しげに笑う太宰に対し、少しムッとした芙美子はバシッと彼の手を叩き、振り払う。
「もう、太宰ってば.....」
「芙美子、若しかして何かされた?」
図星をつかれ、平然を装うが内心少し焦ってしまう。
何かいい言い訳を探そうとしたが、どうにもこの男には叶わないなあと一息つき、今さっきあった出来事を全て太宰に話した。
「成程。という事は、芙美子は自分の異能と戦わなくてはならないわけか」
「そう、それに痛みも伴うらしいわ。あ〜やだやだ」
嫌そうには見えないが、首を横に振って嫌という身振りをする。
いつ狐が暴走するか判らない。
それでも、芙美子はその時はその時だろうと深く考えない事にした。
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)
作成日時:2017年2月9日 23時