弐拾伍話 ページ25
芙美子の頭上に狐の耳が生え、カーディガンの下を見ると、狐の尻尾も生えている。
「これでも喰らいなさい!」
空気を刀で切り裂くと、空気が刃になり、男達に直撃した。
すると、背後から男が芙美子に殴りかかろうとするが、芙美子が腕を差し出すと空気が固くなり、防御する。
「はっ、残念だったわね」
嘲笑するように笑い、男の首を斬った。
《芙美子、私に任せてみない?》
(狐.....!?)
《そう、あなたの中にいる狐。私が出れば一瞬よ》
(でも....)
芙美子は返事に迷った。
早くこの場を収め、原因を探る必要がある。
けれど、狐に任せると暴走し、何をしでかすか判らない。
《いいのよ、貴方はそれ以上頑張らなくていいの。みんなを守るためよ。任せてみなさい》
その言葉に誘惑され、芙美子の意識はすっと消えていった___
「うふふ、やっと自由だわ!!来なさい、全員殺す!」
「姉さん...?」
「...どうやら狐に取り憑かれてしまったようだね」
楽しそうに殺人を繰り返す、芙美子。
綺麗な黒髪が靡く。
鈴の音が鳴る。
そして、狐が鳴く。
「っはは、まだ、まだよ!まだ足りないわ!」
返り血を浴び、月光を浴びる彼女の姿は狐の化け物だ。
周りにいた男は全員血を流し、横たわっている。
「次の獲物はどこかしら!?」
「はい、ストップー」
「んむっ!?」
「敦...?」
「鏡花ちゃんにはまだ早い!」
お互いの唇が離れる。
月光に背を向け、不敵な笑みを浮かべる太宰と、顔を真っ赤にし、月光を浴びる芙美子。
狐が去っていくと、返り血も消えていった。
「だ、太宰」
「んー?」
芙美子が両頬を抑える。
太宰続きを待つ。
「.....もう一度、お願いしてもいいかしら」
上目遣いで顔を真っ赤にしながらのオネダリだ。
太宰は満足そうな顔で「勿論」と答えた。
月明かりの元、二人はもう一度唇を重ね合った。
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)
作成日時:2017年2月9日 23時