弐拾壱話 ページ21
「うわあああ!!助けてぇ!!」
朝、九時頃の探偵社。
少年の声が響き渡る。
「んん、少年、なんで逃げるのよ。こっち来なさい」
「だって酔ってるじゃないですか!」
「酔ってないわ」
「酔ってますって!」
ソファの上で逃げ惑う敦と、
芙美子のほんのり赤い顔に、蕩けた瞳。
そして酒の匂い。
どうやら芙美子は誤って酒を飲んでしまったらしい。
「少年。私とイイことしましょ」
「芙美子さん....!?」
左手をソファーにつき、敦の顎を撫でる。
「ねぇ.....」
「ひゃう!?」
芙美子に耳元で囁かれ、反応してしまう敦。
周りの社員は「敦、頑張れよ」と云うだけだった。
「お早う、諸君!!」
「太宰、遅刻だぞ」
「太宰さぁぁああん!!」
芙美子に押し倒されたような形のまま、太宰に助けを求める敦。
太宰はその光景を見て、「羨ましい!!!!」などと云っている。
「助けてください!」
「芙美子に押し倒されるなんてご褒美じゃないか......」
「しっかりしてください、太宰さん!」
早く助けてくれという懇願の目で太宰を見る敦に、太宰はニッコリと笑って答えた。
「でも、芙美子は私のものだから助けてあげよう」
「だざぁい」
「どうしたの、芙美子」
「会いたかった」
太宰の姿を確認した芙美子は敦の上から退き、太宰の元に駆け寄って抱きついた。
太宰はそれをしっかり受け止め、抱き返す。
「キス、してよ」
その言葉にその場にいる全員が固まる。
だが、そこで芙美子は眠ってしまった____。
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)
作成日時:2017年2月9日 23時