拾肆話 ページ14
....
まだ大人になりきれず
....
林芙美子は、二十歳だ。
二歳年上の太宰治と付き合っている。
「芙美子〜」
「はいはい」
「なんで仕事なんかやってんの?私に構ってよ」
「仕事しなさい」
電算筐体を見ていた視線を少しずらし、電算筐体の上から顔を覗かせる太宰を見た。
「それからならいいわよ」
「よし、わかった!芙美子のためにやろう!」
「餓鬼か貴様は」
「国木田くんひどくない?」
自席についた太宰をみて国木田は鼻で笑った。
「そのうち、林にも逃げられる」
「そんなこといなよ、ね?」
太宰が縋るように芙美子を見るが、芙美子はそれを一瞬見ただけで再び視線を電算筐体に戻した。
太宰はそんな芙美子を見て驚いた顔をしたあと、がっくりとうなだれた。
「そんな.....まさか...芙美子.....」
「ああ、もうわかったわよ。離れていかないわ、好きよ太宰。ほら、これでいい?」
「芙美子.......!!!」
キラキラと目を輝かせる太宰を見て、隣の敦が(適当にあしらわれてるのがわからないんだろうか...)と思いながらも、口には出さなかった。
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)
作成日時:2017年2月9日 23時