Love in Palace 2

♯86 玉ちゃんの誕生日会 その5 ページ40

会場に集まったみんなが玉ちゃんにglassを向け″おめでとう″と声を合わせる
恥ずかしいそうにしながらも嬉しそうな顔をしてる玉ちゃんを見れて、やっぱ誕生日会に参加出来て良かったと思い、glassを口に付けようとしたら

「太輔待って！飲んじゃダメ」

マリウスが飲んだ途端、大きな声で藤ヶ谷へ飲むのを静止させる
藤ヶ谷は既にglassへ口を付けて含もうとする寸前だった

「これ...桃の味がする 太輔アレルギーあるでしょ？飲まない方がいいと思う」
「桃...」

この飲み物を用意したのは友達の1人
ボトルの背ラベルを見つめるマリウスが

「やはり入ってる」
「そっか」

ボトルを用意した河合が
「ごめん！桃にアレルギーあるなんて知らなくて」
「いや、俺も言ってなかったから気にしないでくれ それに飲む前に気づいてくれて助かったし」

藤ヶ谷と付き合いの長い河合君ですら知らない桃アレルギー
俺だってアレルギーがあるなんて知らなかった
それをこの中で唯一知ってたマリウス

俺が知らないこと以上に2人の付き合いが俺たちより深く信頼してたということにショックを受けた
藤ヶ谷は俺のことを嫁さんとして認めてないし、信頼もされてないというのを改めて通達される

はは...馬鹿みたい...マリウスと留学するんだもん
俺に知らせる必要無いよな...離婚する相手に

ヤケになった俺は一気に飲み干した後、藤ヶ谷の手にあるglassを奪い飲み出すと

「おい！それも飲むのか？自分のも一気に飲み干したばかりで 辞めとけ少しアルコールも入ってるんだから」
「心配して頂かなくても結構です 誰かさんと違ってアレルギーもないし、桃は大好きなんで！」

言葉に詰まった藤ヶ谷の目線を感じつつ、glassの残りを一気に飲み干し

「あ〜美味しい！残念だなたいちゃん飲めなくて それとごめんなさい 奥さんなのに旦那様のアレルギーを知らなくて」

藤ヶ谷の困った顔と後ろに居るマリウスの知らなかったの？という顔をこれ以上見ていたくなくて、ぷいっと身体ごと反転し、玉ちゃんと忠くん達がいる方へ

これ以上あの2人の近くに居るのは辛すぎて、卑屈になっていく自分が怖くて
いつになったら離婚すると言い渡されるのか、その時自分は藤ヶ谷の想いを昇華出来るのか

今は何も考えず玉ちゃんの誕生日をお祝いするのが1番だと思い直し、ひたすら玉ちゃんたちと話して、2人の事は見ないように背を向けて過ごした

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