Love in Palace

♯8 婚礼の儀 その2 ページ9

神殿に到着し厳かに始まった

チラッと見ると母ちゃんが泣いていた
それ見たら俺もうるってきちゃうぜ
でも皇族は国民に涙を見せてはいけないからぐっと我慢した


藤ヶ谷が盃に口をつけ3回に分けて呑み、その盃が俺の手に乗せられ御神酒を注がれた
俺も3回に分けて呑む
くは〜熱い！初めて呑んだよ
そして再び藤ヶ谷が盃を持ち3回に分けて呑む
三々九度…無事に夫婦の契りを交わした

…俺 藤ヶ谷 宏光になりました…


それからウェディングドレスに着替えて馬車に乗り、パレードしなきゃいけない

ひとまずドレスに着替えるのに又大掛かり
さっきの御神酒のせいなのか、身体が火照ってる感じもあるんだよな…


十二単からウェディングドレスに着替え、メイクを直してもらってるんだけど…
「なんか暑くない？」
メイクをしてくれてる女官の1人に聞くと
「いえ！本日は穏やかな日差しで暑い感じはないかと思われます…」
「そうか...」


「用意はできたか？」
藤ヶ谷が迎えに来てくれた
藤ヶ谷かっこいい〜さっきの元服姿も凛々しくてよかったけど
白タキの藤ヶ谷は王子様みたいでかっこいいよ…


俺の顔を見た藤ヶ谷は
「顔が赤いな…」
「…暑くて…」

すると女官に水を頼み、俺の前に差し出した
「飲め…」
「？」
「御神酒を呑んだからだろ…」
「ありがと…」

藤ヶ谷から受け取ったグラスの中の水は冷たくて熱かった身体が冷めていく感じ

「はぁ〜美味しかった！ ありがとたいちゃん」

目の前に居る藤ヶ谷にお礼をいうと
「っ…あ…ぁ」
「？どーした？たいちゃんも赤いぞ。水飲んだら？」
「っ！ 俺はいい」

藤ヶ谷は行くぞっといい、背を向けて出ていこうとしてる

…なんだよ...

「待ってよ！」

立ち上がり藤ヶ谷を追いかけようとしたら
慣れないヒールで足元がぐらつき倒れそうになった

「ぎゃー」

危ない！と思って目を瞑ったら
「気をつけろ…」
藤ヶ谷に抱きとめられていた
「っ...ありがとう…」
「これからパレードなのに顔に絆創膏貼った皇太子妃は笑いものだぞ」

なんかいちいち一言多くねーか？
「はい！皇太子のお陰で助かりました‼」

藤ヶ谷から離れて先に歩こうとしたら
右腕を掴まれ、藤ヶ谷の左腕に絡まされた
「又転んだら困るから捕まってろ」
「！」

どーしよう…俺のことなんて関心ないはずなのにちょいちょい優しくするなよ
余計悲しくなる…

でも藤ヶ谷の腕に絡めた腕を外したくなくて、馬車に乗るまでずっと絡めていた

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