Love in Palace

♯37 看病 ページ38

昨日の新聞で学校は俺と宏光、マリウス3人の話で持ちきりだ…

流石に俺に直接聞こえる様な陰口を叩くやつは居ないが、その分2人への陰口はかなり酷くなっていて申し訳なく感じる…

ほとぼりが冷めるまでどうすればいいのか…







「おい！ 大変だ！皇太子妃がマリウスと直接対決するみたいだぞ！」

そんな大声を出して入ってきたクラスメイトにざわつき、その様子を見ようと次々と教室を出て行く
カメラを弄ってた俺に出ていこうと行きかけた郁人が振り返り

「お前止めに行かないのか？」
「…」
「…まぁ…行かないならいいけど…」
黙ってる俺を置いて行ってしまった


宏光とマリウスが…
何が起こるか分からないが、このままここに居るのも出来ず、遅れて俺も2人のとこへ向かう事にした



ピアノが置かれてる狭い教室に2人が向かい合って話をしていた
出遅れた俺は後ろの方に居て、話の内容は聞こえてこないが、宏光はやや表情が固く、マリウスは少し笑みを浮かべている


そのうちマリウスが一気に幕仕上げると、宏光が一、二回ゆっくり瞼を閉じた後、足元から崩れマリウスへもたれる様に倒れた

ギャラリーがギャーギャー騒いでる中かき分け、宏光を抱き起こしてた裕太にどけと発し、気を失った宏光をお姫様抱っこしてその場を離れ、SP達が俺達の鞄を持ち、直様車を出してくれた


車中膝枕し宏光のおでこを触ればかなり熱い
風邪が悪化したらしい
息遣いも荒く未だ意識は戻らない
早く着いてくれ‼
皇居へ戻る時間が何時もより長く感じられた


皇居に着いて再び宏光を抱き上げ、そのまま部屋まで運び医師に診てもらう
点滴をする為袖を捲れば、左腕は更に細くなり針を刺すのを見るのは辛くなるくらいだった


診察の結果、風邪には間違いなく40度の熱が出た為意識がなくなったのだろうということだった

医師が帰り女官たちも下がらせ、高熱のせいで少し魘されてる宏光のおでこに置かれたタオルを取り替えたり、汗をふきながら看病をした




宏光が倒れた時、とにかく早く宏光の所に行きたくて脇目も振らずに一目散に向かった
俺が行く前に裕太が宏光に触れてるのを見て、怒りで更に周りが見えなかった




一晩たち点滴は外され、熱も少し下がり呼吸も落ち着いてきて、今は薬で寝ている
少しほっとすると


そこに宮田が来て確認してほしい書類があるということで、宏光から離れるのは嫌だったが仕事はしないと

去り際宏光の頬を一撫でし、少し乱れた髪を直して離れた

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