Love in Palace

♯13 違い ページ14

食事の一件以来、平行線を辿る俺たち
そんな中、藤ヶ谷の誕生日会が開かれることに

別荘でお友達を呼んでパーティーをするらしい

俺自身は行きたくはないが、結婚直後の誕生日会ということで、友人にお披露目も兼ねるらしく、同行する事になった


しかしそこにはマリウスもいて、藤ヶ谷と親しげに話す姿を見せつけられる形となった



少し離れた所で1人佇んでいれば、藤ヶ谷の同級生が数人やってきて取り囲まれた
何を言われるのか身構えているといきなり英語で話しかけてきた

俺英語全くダメなんだよ...
少しでも聞き取ろうと必死に聞き耳立ててたけど全くわからない！
そのうち矢継ぎ早に英語が飛び交い、笑い出した
...馬鹿にされてる...

頭にきた俺は
「あの！何か用ですか」
日本語で聞けばクスクスと笑い又英語で話しかけられた

取り囲まれてて逃げようにも逃げれない状況に困っていると

「止めなよ みんなで話しかけたら答えられないだろう」
発した方へ眼を向ければそこにはマリウスが

やはりプリマドンナを目指すだけあって身体のラインが細くしなやかで、手足も長く間近で見ると美しさが更に伝わってくる…

「初めまして 僕マリウス 太輔と親しくさせてもらってます」

...太輔...俺が呼べない"特別な呼び方"...

「あっ 初めまして藤ヶ谷 宏光です」
ささやかな抵抗とばかりにフルネームで答えれば、マリウスの美しい顔に少し陰が出来た

「そう言えば貴方も皇族になったのなら乗馬も出来るんだよね？」
「乗馬？」
「そう あたし達乗馬クラブの仲間でもあるんだ」
「...そうなんですか」
「良かったら貴方もどう？」

マリウスからのお誘いに周りに居た友人達が
「こんな奴入れたら質が落ちるよ」
「姫はマリウスだけでいいし」
「第一馬に乗れるのか？」

遠回しにマリウスにも馬鹿にされたみたいだ
マドンナ扱いされてるマリウス...
地位も名誉もある藤ヶ谷の友達と俺は住む世界が違いすぎる...
いくら皇太子妃になったからとはいえ、元貧乏人の性質は変わらない...

この場から逃げたくて辺りに眼をやれば、遠巻きに見ている藤ヶ谷
奥さんが馬鹿にされてるのに無関心な態度
...助ける価値のない俺...

そこに背後から
「ミツ疲れたでしょ？こっちで休もう」

俺の肩に手を置いて反転させる玉ちゃん

「みなさんすいません 皇太子妃は人見知りで不慣れな場所で疲れてるので、失礼させていただきます」
笑顔を浮かべマリウス達を見渡し俺を連れ出した

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