♯54 ページ9
でも低い囁き声に瞳が勝手に閉じてゆく
太輔の肩に頭をつけるように促されて、素直に預けた
ふわふわする…ぼんやりした頭で運ばれてると気づいた直後、ドアが開く音がして礼儀正しい声が響いた
「おかえりなさいませ、探しものは見つかりましたか？」
ビクッと肩が震えた
まさかの第三者
予想外の展開すぎて目が開けれない
恋人の肩に更に頭をくっつけて、顔を見られないようにする
太輔は落ち着いた足取りで屋内に入ってゆく
笑みを含んだ声が頭上から響いた
「あぁやっと手に入った これから堪能するからシェリのことを頼むよ」
「畏まりました」
年配の男性の声に続いて、わふっとシェリの声も
階段を上がっている気配からして、遠ざかっている感じがする
(し、執事さんだ！今の絶対執事さんだ…)
考えてみれば太輔が、1人でこの別荘に来てるわけがないんだ
しかも俺をお姫様抱っこしてて両手が塞がっていたのだから、ドアを開けたのは確実にさっきの人だ
他にもメイドさんとかいたらどうしよう、と思いつつおそるおそる薄目で見ると、気づいた太輔がくすりと笑った
「この階に他の人はいないよ」
言って俺を抱いたままで器用に両開きの大きなドアを開ける
ものすごく天井の高い部屋の奥に鎮座しているのは天蓋付きのベッド
当然のように横たえられそうになったから慌てて止めた
「あの、さっき転んだから…」
いっくら太輔に払ってくれたとはいえ、まだ汚れてはいると思う
彼が少し首をかしげてにっこりした
「あぁ、じゃあ一緒にお風呂入ろう 宏光がどこも怪我してないか、確認もしたいしね」
「いえっ一緒はダメです 一人で入りますから…」
「二人で」
笑顔のまま強引に訂正した彼は、俺を横抱きにしてるのをいいことに、そのままバスルームへ移動した
上機嫌の恋人ほど手に負えないものは無い
恥ずかしがる俺に気にも止めず、バスルームで丁寧に洗われ、怪我がないか隅々までチェックされた
勿論恋人の手と口はそれだけではすまなくて…
再びベッドに抱いて運ばれてきた時には、俺は快楽と羞恥に泣かされたせいで、ぐったりしていた
「宏光大丈夫…？」
ちゅ、と泣き濡れて上気した頬にキスを落としてくれて嬉しいのに、泣かせた張本人なだけに複雑な顔になってしまう
「不満げだね」
「そんなことは…」
かぶりを振るものの、散々煽られたのに一度も極めさせてもらえなくて、身体は訴えるように疼いている
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pearl(プロフ) - yuriさん» yuriさんありがとうございます！読み返してもらえてこちらもほんと嬉しいお言葉です。一応F視点からの話も今創作中ですので、ある程度形になりましたら公開させていただきます。その時は是非又遊びに来てください(≧∇≦*)いつも暖かいお言葉ありがとうございます！ (2019年7月28日 18時) (
レス) id: 66ae99b85e (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - pearlさん、完結おめでとうございます。コメントしたつもりで作品を読み返しておりまして…こんな素敵な作品を本当にありがとうございました(^^)Fさん視点も考えてくださっているなんてとっても嬉しいです。2人再開してからの展開に幸せな気持ちになりました。 (2019年7月27日 20時) (レス) id: cfcc0f5f63 (このIDを非表示/違反報告)
pearl(プロフ) - 充瑠さん» 充璃さんありがとうございます！なんとか無事に完結しましたが、もう少しこの2人に触れていたいので(^^;番外編みたいなのを書けたらなって思ってます。王道ストーリー書けてあたしも満足してますが、充璃さんを始めとする読者様に読んでいただけたのが1番嬉しいです！ (2019年7月22日 6時) (レス) id: 66ae99b85e (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - pearlさん、こんばんは。完結おめでとうございます！途中、切なくなる場面もありましたが、無事にハッピーエンドになってよかったです＾＾「少女漫画のような王道の」お話でした！！こんなにヒロイン（ヒロイン？）が愛されて、こちらもとても幸せです＾＾ (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
pearl(プロフ) - mimotaさん» mimotaさん〜何とか完結しました！最後まで少女漫画っぽくしたつもりでしたが大丈夫でしたか？(^^;こちらこそ素敵な作品と仰って頂き大変嬉しく思っております。次回もお話更新しましたら遊びに来てください！いつもありがとうございます(≧∇≦*) (2019年7月21日 21時) (レス) id: 66ae99b85e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pearl
| 作成日時：2019年6月24日 6時
