Distance makes the heart grow fonder 2

♯56 ページ11

「……僕から言った事だけど本気かい？ きっと凄く恥ずかしいことを君にさせるよ」

戸惑いつつもからかうような口調で再度確認してきたからこくりと頷いた
「そこまで言ってくれるなら、断る理由はないね」

くしゃくしゃと髪を撫でてくれる手は凄く優しくて、今からお仕置きをするつもりの人には思えない

「それで宏光はどうしてほしい？」
楽しげに聞いてくるけど、手も声も優しい
「キス…して…ください…」

間近にあった端整な唇が近づき、すぐに深く重なった
太輔とのキスは凄く気持ちいい
震える両手を広い背中に回すと、バスルームを出る時太輔だけ着たローブのタオル生地に触れた
恋人の肌を直接感じたくて俺は無意識にローブを少し引っ張るように脱がしにかかっていると、重なった唇から彼が笑った気配を感じた

「どうしたの、可愛いことして」
わずか離れた唇から言葉が発せられ、それが自分の唇に伝わりざわざわする

「さわりたい…太輔に…」
「いいよ、好きなようにしてごらん」
軽いキスをくれて、彼が上体を起こしローブを脱ぐ
まだ昼前という時間帯だけに、室内は明かりを付けなくても十分明るい

太輔の身体を見ると更に体温が上がってしまった

滑らかで張りのある肌に触れたくて、俺も上体を起こし太輔の身体に両手で抱きしめると、頭上で彼が低く笑った

「宏光、とっても可愛いけど抱きしめるだけじゃ物足りないよ」
「あっすいません」
「もっと触って 宏光の手がどんな風に僕を愛してくれるのか楽しみだな」

俺の手を掴まえ指先にキスをする
期待されていることを感じ取り、視線が泳ぐ

「あの…上手には出来ないと思うんですけど…」
「うん、むしろ上手な方がショックかな」
真顔で即答され少し気が楽なり、鼓動が更に速くなったのを感じながら太輔の肩から胸、臍そして更にその下へと躊躇いながら手を這わせてゆく

ずっしりと重量感のある熱塊をそっと、可能な限り手のひらで包み込むようにすると、彼が少し息を詰めた

その姿が色っぽくて、身体全体に熱が上がった
(こんな…大きいんだ…)

いつも太輔からたっぷりと愛されてしまうので、自分から積極的にするのは初めてだ
指が回りきらない程のものが、自分の中に入ってくるなんて信じられないけど、これがどれだけの快感を与えてくれるかは知ってる

慣れないなりに心を込めて指と手のひらで愛撫し、恋人の熱をより重くさせる

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