Distance makes the heart grow fonder

♯17 ページ18

するとぬるりと艶かしいものが口内に侵入してきて、深く重なった
初めての感覚に戸惑いつつも逃げる気はなく

「ん…ん、ふっ…」
口内を愛撫されると今まで体感した事ない快感と呼べる感覚が生まれ、恥ずかしいけど勝手に甘い声が漏れてしまう

(すごい…気持ちいい…)

髪を撫でてる手も気持ちよくて、太輔のキスに溺れる

飲みきれなかった唾液が首筋まで伝い、それすらも快感を呼び起こし身体が震えた
それを感じ取った太輔が名残り惜しげに唇を離す
互いの唇の間にあった銀色の糸を舌で色っぽく切った彼が、仕上げに俺の唇を軽く舐める
それにも反応してしまう俺を見て、黒曜石の瞳が熱を帯びて色を更に深くした

「参った…もっと欲しくなる…」
溜息混じりに呟いた彼の手が髪から頬へと撫でる

「…僕はもっと宏光に触れたい この手で感じて許される限り味わいたい…言ってる意味わかる？」

太輔の言葉をもう一度噛み締め理解した途端、顔が熱くなり、嘘だ…とかぶりを振れば
「本心だよ、6年前からずーっと変わらず想い願っていた」
「……」
「早急かもと思うかもしれないけど、僕は今夜恋人として同じベッドで過ごしたい 無理にとは言わないけどこの想いを叶えてくれたら嬉しいな」

優しくて甘い声色なのに言ってることはとんでもなく、ソフトで強引

「そ、そんなこと仰られても…、俺達は6年ぶりに会ったばかりだし…」
「そうだね…でも僕はずっと宏光を探してたし、今日初めて姿を見て、改めて心を奪われたよ 宏光は？」

キスまでさせてくれたのに違うの？と言わんばかりにじーっと見つめられ鼓動が速くなる

確かに俺だって初恋の相手でもある太輔をずっと忘れられず好きだったけど

「だからって…こんなの急すぎる…」
「うん、戸惑うのは分かるけどごめん、でも6年前に欲しいものを躊躇ってはいけないと学んだから、ここで逃したら又捕まえられなくなるのは困るから」

にっこりと微笑みながら言われたけどますます眉を下げ、小声で抵抗をしてみる

「そんなことにはなりません 仕事もありますし」
「宏光が断りづらくなったらいけないから言っておくけど 僕は決して仕事に私情は挟まないから本気で嫌ならキッパリ突き放してくれていいからね」

確かに紳士な彼なら仕事にプライベートを挟むことはしないだろう
のらりくらりとかわしても太輔は笑顔で打ち返してしまう

でも一番の問題は彼に求められてる事に嬉しいと感じてる自分
口では逃げてるのに彼の想いに応えたいと…

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