君はシティガール (ページ3)

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＃3 ページ3

西山「あのー、何かお困りですか？」

『あ、そのー、ワイヤレスイヤホンを
片方落としてしまって。。。

でも、絶対この辺りにあるので、
大丈夫です。ご心配ありがとうございますっ』

彼女は僕に気付いてないみたい。

西山「大丈夫ですよ。
この後何もないので！
一緒に探したほうが早く見つかるだろうし！

でも、踏まないように気を付けないと…」

彼女は申し訳なさそうに
お礼を言うと、また地面に向かって
スマホのライトをかざした。

西山「あっあったぁぁ！！！」

『わぁ！ありがとうございますっっ』

西山「そこの植え込みの影にありましたよっ
はい、どーぞ！」

『えー、なんでそんなところまで
飛んでったんでしょう？笑

本当にありがとうございました！

あ、あれっ？
もしかしてこの前のスーパーの？』

やっと気付いてくれた彼女。
僕は通せんぼをするリアクションを
取りながらそうです！と答えた。

『ふふふっ
その節は、すみませんでしたっ
今日も本当に助かりました。

実は最近買ったばっかりで
見つからなかったら相当ショックだなーって
思ってたんですよぉ泣』

何かお礼をしたいという彼女は
しばらく黙り込んだ後に、
あっ！と人差し指を立てて目を見開く。

閃いた！と言わんばかりの表情が
なんとも可愛い。

『あの、、、
本当に本当にご迷惑じゃなければ
なんですけど。』

そう言うと彼女はスマホの画面を
僕に見せる。

画面に書かれているのは
僕の好きなバンドのライブのお知らせだった。

『これ、友達と行く予定だったんですけど、
友達の都合が悪くなっちゃって、、、

会って2回目でライブ誘うなんてって
感じなので、嫌だったら全然断ってくださいっ』

西山「僕、そのバンド好きです！
むしろ、僕行っていいんですか？」

『ご迷惑じゃなければ、
やっぱり誰かと行ってライブ後に
感想を話したりする方が楽しいので！』

西山「では、お言葉に甘えて！」

なんということでしょう！！
神様ありがとう！

帰り道が途中まで同じだった為、
連絡先もばっちり交換した。

彼女は中条Aさんというらしい。
歳は一個下だった。

あまり人見知りしないのか、
明るくてサバサバした雰囲気だが、
話しているとコロコロと表情が変わっておもしろい。

色素が薄くて
長いまつげは街灯や車のライトに照らされて
キラキラして見えた。

たった数分間だったけど
彼女から目が離せなかった。

ライブの日が待ち遠しいなぁ。