53話 ページ7
「それで、ご用件は何でしょうか」
連れてこられたのは、王宮の中庭の隅っこ。ゴミを捨てるための場所で、鉄製のくずかごや焼却炉が無造作に置いてある。一目に着きにくい影の方にある場所だった。
目の前にいるのはレイアさんと他数名。全員緑色のリボンを首に巻いている。
口を開いた私に、「ご自分の胸に聞いてみたら?」という声が飛んでくる。
「はぁ。……えっと……知らない間にあなたのおやつのプリンでも食べましたかね?」
「そんな分けないでしょう。__あなたが起こした問題行動についての話よ」
まぁそれしかないよな、と思うが。
「確かに私は夜に北の塔へ入ってシャークん様と少しだけお話をしましたが」
「そう、それよ。あなた、一体何様のつもり?立ち入りが禁止されている場所へ入って、あまつさえ専属でも何でもない新人のくせにあの方と言葉を交わすなんて」
「確かに、立ち入り禁止については全面的にこちらが悪いですが__でも、それ、あなたたちに関係あります?」
私の言葉に、レイアさんがはぁ?と声を上げる。周りのおとり巻きの視線も数段キツくなった。けど、
「いやだって、あなたたちあの場にいなかったでしょう。あの時あなたたちの誰かがあの場にいて、私を止めていたにもかかわらず私が行動したならともかく、あなたたちあの時私が北の塔にいるなんて知らなかったんでしょう? 人を近づけたくないなら入り口で見張りをするとか、新人に真っ先に立ち入り禁止の旨を話すとか、色々方法はあるでしょうに。それをしないで結果だけ責められても、いやあなたたち何も行動してないんだからとやかく言う資格はないでしょう、としか。ましてやあなたたちは私の雇い主でも何でもない、同業者なのに」
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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時