74話 ページ28
うわめんどくさ。
「貴女、今面倒くさいと思いましたわね?」
なんでバレた。
「簡単ですわ、明らかにお顔が面倒そうでしたもの!_______そんなことよりも、聞きましたわよ。貴女、またしても幹部様に近づいたそうね」
「シャークん様には近づいていませんよ?」
「当然ですわ!……けれど、近づいたでしょう?なかむ様に」
言われて初めて、そういえばお取り巻きの顔ぶれが増えていて、水色のリボンを首に巻いた子がいることに気づいた。おそらくば彼女が何か言ったのだろう。
「あぁ……呼ばれたので」
「まぁ!皆様、聞きましたこと?"呼ばれたので"ですって!」
わざとらしく言って、レイアが一歩私に近づく。その瞳がスッと汚物でも見るかのように細められて、一言、
「_______汚らわしい」
「えっと、何故です?」
「まぁ、しらを切るおつもりかしら?貴女があの方を誘惑したくせに」
「誘惑?……何の話ですか?寝ぼけてませんか?」
「寝ぼけてなどいなくてよ!貴女がなかむ様を誘ったのでしょう_____大した容姿でもないくせに、どんな手を使ったのかしら」
「いや、私は何もしてませんって。ただ呼ばれて、殺されかけただけです」
「そうでしょうよ!殺されかけて_______え?殺されかけた?」
「はい」
頷くと、彼女が奇妙な顔をして、後ろを振り返った。水色のリボンのメイドさんに詰め寄る。
「……ちょっと貴女!お話が違いましてよ!あの子は身売りをしたのではないの!?」
「え、えっと……う、嘘に決まっています!なかむ様がそんなことをなさるはずありません!それに、そうだ、私、見たんです!なかむ様の執務室で、あの子がなかむ様に近づいて何か囁くところを!」
「確かね!?_______ほら、この方も言っていますわ!貴女、囁いたのでしょう!!こう______何をですの!?」
「囁き声なので分かりません!」
「…………とにかく、囁いたのでしょう!!」
どうだ、と言わんばかりに指を突きつけられるが、
「どうも、こうも……囁いてないですし、そもそも私、なかむ様の執務室に行きはしましたが、朝ごはん以降は一度もお会いしてませんよ。カティアさんがよく知っています。それに、私あなたのこと初めて見たんですけど」
そう言えば、さっと水色リボンの子に朱が刺した。……ん?いや、待てよ?
「……あれ、やっぱりどこかで会いましたか?なかむ様の部屋じゃなくて、えっと、どこだっけ」
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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時