破れた6ページ目 ハルヴェside ページ9
メリーからの誘いを、いつもの“癖”で断ってしまったアタシ、なぜこんなにも、人に素直になれないのだろうか。
『チッ……仕方ない、パンだけ食べるか』
乱暴にバイキングからパンを1つ取り出したアタシは、お行儀の悪い食べ方…つまり立ち食いをしているのである。確かに注意はされるが、これをやり続けてもう何年も経つ。今更注意する方が悪いのだ。
手に取ったパンは、たまたま大好物のくるみパン、中には硬くて少しほろ苦いくるみが入っていてとても美味しい。苦いものが苦手なアタイでも口がよく動く。
『ごちそさま、さて、少しシャワーを浴びてくるかな…』
顔を触ると、少し汗がつたっている、アタシは小走りでシャワールームへと向かった。
『シャワーは冷水がいいな…』
温かいお湯や熱いお湯が苦手なアタイは、キュッキュッという温度調節のところを冷水の部分に回す。
『…?なんでみんなあんなに震えているんだ……?あ、そうか…』
確かこの学院のシャワーは、シャワールームにあるシャワー“全て”と温度が連動してたのか…。
『かといって熱いお湯にするのも嫌だからな…仕方ない、アタシが出るまでしばらくは冷水だ』
アタイがシャワールームから出ると、同じくシャワーを浴びていた人はみんなホッとした表情でシャワーを浴びていた。全く、そんなに熱いやつって好きなのか?
『さて…と、部屋に戻るかな』
髪をタオルで拭きながら、自分の部屋に戻った。そのおかげか床には薄いシミがポツポツできている。
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