姉の決意。 ページ9
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理鶯さんは殴った男を遠くへ蹴り飛ばした後懐から素早くナイフを取り出し、斗馬君と私のロープを手際よく解いてくれた。
私は最初こそ急な展開に動けなくなったけれど、目の前で蹲り痛みに泣いている斗馬君に急いで駆け寄った。
合歓「斗馬君！ 斗馬君っ･･･！」
『うぅ･･･あぁぁっ』
合歓「ああ！どうしたら･･･!?」
斗馬君は猫のように丸くなり痛みを抑えるために縮こまって苦しそうにしていた。その姿を見て私は更に混乱してしまう。どう対処していいのか真っ白な頭の中では全くわからなかった。
私がそうこうしているうちに、理鶯さんが斗馬君を仰向けに寝させた。
合歓「理鶯さん･･･!?」
毒島「斗馬は出血が酷い･･･。今は一刻も早く止血しないといけないが、小官のスカーフだけでは足りない･･･。合歓、綺麗な布は持ってないか？」
目の前で赤いスカーフを斗馬君の傷に押し付け、止血をしている理鶯さん。それを見て私ははっとした。私は何を動揺していたんだろう。理鶯さんはこんなにも冷静に考えて行動に移している。なのに姉の私は何も出来てない。
･･･恥ずかしい。私は･･･、私はお姉ちゃんなのに･･･。これでは、昔と同じままだ。そんなのは嫌だ。少しでも斗馬君とお兄ちゃん達の力になるのなら、私は全てを掛けてみせるから！
急いでポケットを漁ってみるが入っている筈のハンカチが無かった。予想はしていたけど、バックも無い。あの中に使ってないタオルが入っていたんだけど･･･。仕方ない･･･！ ��コレ��を使うしかない･･･！
合歓「理鶯さん！ さっき使っていたナイフを貸してください！」
毒島「良いが、何に使うんだ？」
合歓「･･･。」
私は理鶯さんの質問には答えず、無言で差し出されたナイフを受け取った。そして、自分の着ていた長いスカートを切った。これなら結構な布が取れるし、さほど汚れていない。これで足りると良いけど･･･。
毒島「！ 驚いた･･･。まさか自分の衣服を切るとは･･･。」
合歓「理鶯さん！コレ使えますか？」
毒島「あぁ、助かった。早く止血して、車に運ぼう。」
私にはその類の知識が全く無いため、邪魔にならないように見守る。斗馬君の手を握ると、指先がジワジワと冷たくなっているのに気づいた。
ｰｰｰｰｰｰ死なないで、お願いだから。
しっかりと握れば、ちゃんと握り返してくれた。
終わり
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萩 - 続き楽しみです！ (2020年4月25日 10時) (
レス) id: 28ee4bfc20 (このIDを非表示/違反報告)
しづ - んん、、最近更新されてない、、更新楽しみにしてます！ (2019年11月2日 21時) (レス) id: dfac6954d1 (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - 華月さん» えっっっ！ ありがたきお言葉ですっ！ そう言っていただいて嬉しいです！！ コメント有難うございます！ (2019年9月21日 22時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 本当にこのお話大好きです(*^^*) (2019年9月19日 2時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - 音琥さん» WOW！(^o^) またまたコメント嬉しいです！本当にこんな優しい人が見てくれていると思うと顔がにやけますうふふ← またいつでもコメントしてくれたら嬉しいです!! (2019年9月17日 20時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sakurasaku | 作成日時：2019年4月3日 18時
