大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

19話 ページ21

「パスワード、考えるの協力してくれないか？」



二人にさっき見つけたヒントの書かれた紙を見せた



「……つまり、月島ちゃんにとって忘れたくない大切なものってこと？」



「まぁ解釈としてはあってると思う」



Aの大切なもの……








「でもそれってお前の方が詳しいんじゃねぇか？」



松田が零した言葉
それはご最もだ。この中で一番Aに詳しいのは俺なんだけど…



「そう考えると、Aのこと全然分かってやれてなかったんだ……って思う」



重たい空気になってしまった
俺がやったのに、戻せなくて困る



「と、とにかく！何かないの？思い当たるもの」



萩原がパンっと手を叩いてそう言った
もし今ここに彼がいなかったらどうなっていたのだろうか



「萩、なんで"もの"に限るんだよ」






人かもしれないだろ、



ジャケットのポケットに手を突っ込んだ松田がそう言い放った
他人とは違う視点の意見……いや、俺が考えられなかっただけだ



「陣平ちゃんナイス！それだよ多分」



人……とりあえず、Aの両親の名前を入れた



『error』



参ったな…あまり彼女の周りの人間関係を知らないのに……



「あ、俺分かっちゃったかも……」



萩原が口角を上げた



「なんだよ、教えてくれ」



「お前がよく知ってるヤツだ」



今度は松田がそう言った



「諸伏、月島を助けられるのはお前しかいないぞ」



松田の目を見ると自分で見つけろ、お前なら分かる、そう言われた気がした

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