２５ お城 北斗side ページ26
チャプンチャプン
浴槽の水を弾きながら色んなことを考えていたら大我が戻ってきた。
「北斗？お腹空かない？北斗はいつもなに食べてるのかな？」
昨夜から何も口にしていない…。
でもここには自分が食べられ物はないし。
「…いつも海藻…食べてる」
俺たち人魚は海藻を主食にしてるんだ。
「そうなんだね。いま海藻はここにはないんだ、ごめんね。代わりにコレはどうかな？」
大我は大きな籠を持っていて、その中の物を見せてくれた。
中には初めて見る甘い香の物が沢山入っていた。
「果物って言うんだよ。海藻とは違うけど甘くて美味しいから食べてみない？食べさせてあげる」
大我は手にした赤くて丸い果物を俺の口元まで持ってきた。
もしかして、毒が塗ってある…とか？
不安そうに大我を見上げる。
「大丈夫だよ、美味しいから。毒じゃないよ」
あ…俺の不安がバレてる。
おれは勇気を出して一口その赤くて丸い物を齧ってみた。
カプッ！
「あ、甘い…」
その果物は甘くて…水分が多くて俺の喉を潤してくれた。
「気に入った？」
頭を上下に振って頷いた。
「もう一つ食べる？」
大我がもう一つ口に入れてくれた。
モグモグ。
甘くてちょっと酸っぱくて…とても美味しい。
「これね、『イチゴ』って言うんだよ。気に入ってくれて良かった。陸には色々美味しい物があるから北斗に食べさせてあげる」
大我がとても嬉しそうにしてる。
「大我は…食べないの？」
「俺は大丈夫。北斗が食べてくれるのが嬉しいから。他の果物もあるよ？食べてみる？」
「…大我…俺を太らせてから…食べるのか？」
「…さっきから北斗、俺に食べらると思ってるの？」
「うん…人間って人魚を捕まえて食べるんだろ…？できれば…長引かせないで…早く食べてくれ」
俺はギュッと目を瞑った。
「北斗、よく聞いて？俺は北斗を食べないよ。だから安心して」
「本当？殺さない？食べないの？」
「本当に殺さないし、食べないよ。俺は北斗と人間界で一緒に過ごしてみたかっただけだよ。北斗、信じてくれないかな？」
大我があまりに真剣に話してくるから、思わずコクンと頷いてしまった。
真剣に俺を見つめてくる大我は…とても綺麗な顔してて、じっと見ていたら俺の方が恥ずかしくなってしまった。
「どうしたの？顔が赤いよ？」
「大丈夫…」
「北斗、ごめんね。俺はちょっと仕事があるから…もう少しだけここで待ってて？」
大我はそう言ってまた部屋から出て行ってしまった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
