特別が恋だと気づいた時 ページ36
『月は、綺麗ですよ』
そう優しく告げたAの瞳は
青いキラキラとした、宝石のような、海のような、
いつか見た、青空のように
輝いていた。
そんな青い目に吸い込まれそうになる。
その青い目に、また赤髪が映える。
私のために一つに結んでくれた、憎き弟と同じ炎のような赤髪。
あぁ、綺麗だな。
私を肯定してくれた言葉が、欲しかった言葉をAは言ってくれた。
埋めてくれた。
足りなかったものが、埋められた。
劣等感や嫉妬が薄れた気がした。
『・・・あ!』
黒「!?…どうかしたか…?」
『す、すごい今更ですけど・・・勝手にお部屋に上がって服を盗んで着ちゃって、すみません・・・』
絶望した表情で何を言うのかと思えば、本当に今更なことだった。
シリアスな雰囲気が彼女の一言で一瞬で消え去ってしまった。
・・・まぁ、AらしいといえばAらしいが
黒「…それは…まぁ…服を勝手に取らなければいい…だが…これ以降は…男の服を勝手に着るような真似は…しないことだな…」
勘違いしてしまう変な輩に絡まれたら大変だからな・・・
と呟くと、キョトンとした後アハハ!と笑い出した。
黒「…何が…おかしい…」
『嫌だって、雑魚に私が倒されるわけないじゃないですか。黒死牟さんだってそれは分かってくれてるでしょう?』
黒「それは…そうだが…」
『それに、男の服を着るなって言いましたけど・・・
それは黒死牟さんだからですよ?』
黒「…?」
『私だって乙女なんですから、男の人の服を着るなんて真似しませんよ。・・・これは、黒死牟さんが”特別”だからです。他の人にはやりません。』
黒「!?」
へへ、と屈託のない笑顔のAを見て、心臓が掴まれたような痛みが走る。
政略結婚として体を重ねて家族となった元妻にも、縁壱を含む今まで戦ってきた誰からも感じたこともなかった痛み。
『黒死牟さ、あっ!?』
黒「!?」
近づこうとしたAが裾を踏んで、転びそうになる。
思わず受け止めると、息もかかるほど近い距離にAの顔がある。
黒「っ…!」
『あ、危なかった・・・ありがとうございます!黒死牟さん!』
また心が弾む。・・・ここまで来たら、自分の気持ちに気付かないわけにはいかない。
・・・私は、Aが好きなのか。
祖父と孫の親子愛のようなものでも、師匠と弟子の師弟愛でもなく。
異性として、Aを
愛しているのか。
ほほほほほほ星がああああああああああああああああ!?→←月は綺麗ですよ
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紫華 - ごめんなさい・・・・猗窩座でも良いですか?猗窩座が可愛くて・・・・ (7月11日 14時) (レス) @page45 id: b3528e00a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫華 - 恋する相手は煉獄さんが良いです!なんかある日出会った的な‼︎ (7月11日 13時) (レス) @page31 id: b3528e00a4 (このIDを非表示/違反報告)
Yona - 面白い〜〜!!!アナタハァ、カミデスカ? (2022年4月8日 10時) (レス) @page50 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - *一匁さん» 是非是非!オタクさんでも何でも好きに呼んでください!コメント遅くないならよかったです〜通知がたまにこないので・・・日常生活、頑張りますよ!・・・勉強も(汗) (2021年4月2日 21時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
*一匁(プロフ) - 元気なオタクさん» あ…wwじゃあこれからもおたくさんって呼びますね!返信が遅い?いえいえそんな事はありません!おたくさんも日常生活(?)を頑張ってください!www (2021年4月2日 18時) (レス) id: 7c389a488b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:元気なオタク | 作成日時:2021年2月20日 15時