18.処罰 ページ18
「そんなことより、冨岡はどうするのかね。拘束もしていない様に俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると冨岡も隊律違反だろう」
先程までと同じく、木の上から小芭内が文句を述べてくる。
「琴音、お前も鬼を庇ったと聞く。どういうつもりだ?お前も隊律違反になるぞ」
「あら?そこに私も入るの?…まぁ、炭治郎と義勇の味方をしちゃったから、当然と言えば当然かしら」
「この三人をどう処分する?どう責任を取らせる?どんな目に遭わせてやろうか」
小芭内が煽る。
けれど、義勇は一人離れた場所でこちらには見向きもせず、そっぽを向いたままだった。
「まぁ、私はせいぜい謹慎ってところでしょう」
「勝手なことを言うな。違反者が自分で処分を決められるわけがないだろう」
「間違っていないと思いますよ?だって、私はしのぶちゃんと刃を交えていないもの」
「ねぇ、しのぶちゃん?」と彼女を見る。
「確かに。琴音さんは彼らを庇ってはいましたけれど、手は出していませんでした」
「む。そうか!では琴音の処罰は謹慎で決まりだな!」
しのぶちゃんの言葉に結論付ける杏寿郎。
この人はいつも勝手ね。
「まぁ、冨岡さんと琴音さんの処罰は後で考えましょう。それよりも私は坊やの方から話を聞きたいですよ」
しのぶちゃんが拘束された状態で地面に寝転ぶ炭治郎くんを見る。
「賛成です。私もずっと気になっていたのよ」
私はしのぶちゃんの隣に向かう。
すると彼女は炭治郎くんの前に座り込んで、ゴホゴホと咳き込んで苦しそうな炭治郎くんに水を差し出した。
「顎を痛めていますから、ゆっくり飲んで話してください。鎮痛薬が入ってるため楽になります。怪我が治ったわけではないので無理はいけませんよ」
しのぶちゃんから水を飲ませてもらった炭治郎くんが、うつ伏せの状態で顔を上げて話し始める。
「……俺の妹は鬼になりました。だけど人を喰ったことはないんです。今までもこれからも、人を傷付ける事は絶対にしません」
真っ直ぐな目が訴え掛けてくる。
身内を信じたい気持ちは分かる。
けれどそう言われて「はい、そうですか」と納得させられる程、鬼殺隊は甘くない。
それは、身内だろうと容赦なく喰い物にする鬼を幾度となく見てきたからだ。
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時