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「庵ちゃんはこっちで見とってな。あ、流れ玉には気ぃつけや?」
『あざーっす!!』
小6にして先輩の風格を出すアラン君に連れられ体育館の隅っこの方に座る。双子以外の人達からの視線が痛いがそれはあたしの顔がいいからだと認識しておこう。決して推しが見れて嬉しいというニヤけが出ていて気持ち悪いからでは無いと願いたい。(切望)
そうこうしているうちに始まった練習。どの練習でも双子はまだ高校生時代のような滑らかさっていうのかな、そんな感じのはないけど、とても上手かった。そして何より……
『楽しそう……。』
ずっとバレーが楽しくて仕方が無い顔をしている。ミスをしたら悔しがって、もう一本って何度も何度も叫んで、そしてできた時、すごく綺麗に笑う。漫画やアニメじゃ見れなかった表情。もちろんそれらでも楽しそうにバレーをしてた。けれど今は発展途上だからこその楽しそうな笑顔が見れて、来てよかったとつくづく思った。
「危ないッッ!!」
「っ!庵!!!」
『ん?……ほっ!』
あたしが推しの姿に夢中になっていると突然聞こえた大きな声と誰かがあたしを呼んだことに反応してそちらを向くとこっちに向かってくるバレーボール。あたしはすぐにレシーブの形をとって夕と共に鍛えたレシーブでセッターのいる位置に返した。
「ふっ、ナイスレシーブ!!」
「心配する必要なかったな。」
困ったように笑ってこちらを見ている侑と治にあたしはニカッと笑ってブイサインを向けた。
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-NOside-
『すっっごかった!!!』
キラキラさせた目で『こう、バシーンって、フワって!』と語彙力が低下したように擬音を使って話す庵。その姿は年相応の姿で、双子は思わず「可愛ええ」と零してしまった。ただそんな褒め言葉も今の庵には聞こえていないのだが。
庵はどこか大人びて見える。話し方だけではなく、その醸し出す雰囲気が庵は俺たち双子と違う場所にいるかのような錯覚さえ起こす。だから俺達は名前を呼ぶ。
「庵。」
『んー?』
小さな声で呼んでもちゃんと振り返って『何?』ってふわりと笑う。たった2日。けれど俺達はその笑顔にハマってしまったようだ。
「なぁツム。」
「なんやサム。」
「お前もなんやろ?」
「ははっ、双子ってタイプも似るんやなぁ。」
『遅いぞお前らー』なんて頬を膨らます庵を見て双子の顔が緩む。
「「……絶対渡さんで。」」
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優雨-ゆうあめ-(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます!!!性格明るめギャグ線高め夢主目指してます(笑)これからもよろしくおねがいします!! (2023年2月9日 11時) (レス) id: 79e0660dd9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!何より主人公の性格と会話のテンポが最高でした! (2023年2月9日 10時) (レス) id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 驪乃さん» 私は知っているのです。トイレの前は危険区域だと。強敵が現れる危険区域、夢主だって強敵とはトイレの前で出会うのです。(意味がわからん) (2022年10月25日 0時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
驪乃(プロフ) - トイレの前で出会うは怖い奴!!!!もしや夢主は日向と同類!!!??そうか主人公繋がりだな!!!!非常に文面が煩くて申し訳ありませんとても反省しております。 (2022年10月25日 0時) (レス) @page48 id: 51416cb2de (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 将来レディーになるガールさん» いやもう何回でもして頂いてもろて!!!私がめちゃくちゃ喜んでもう踊り出しそう(ง ˙ω˙)ว (2022年10月22日 21時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優雨-ゆうあめ- | 作成日時:2022年9月11日 20時