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あの後先輩達から挨拶、というかそういうミーティング的なのがあって、帰る頃には夕方になっていた。そして現在、何故か部屋に夕が来ている。(遠い目)
『なーんでそんな浮かない顔してんのさ。』
「………。」
『なんも言わんのかーい。』
あたしの横で、あたしの左手をとってにぎにぎしながら下を向いて口を尖らせている夕は来てからほとんど喋ってない。なんなんだこいつは。朝までの元気の良さはどこへ行ったんだ。いや負けたからだろうけども。負けたからなんだろうけれども。
『(リベロ賞という誇れるものを受け取ったんだからちょっとくらい素直に喜べばいいのに。)』
そう思ってしまうあたしは、間違っているのだろうか。
「…俺は、」
『うぉ。』
この空気をどうするかと悩んでいると聞こえた蚊の鳴くような声。とりあえず急に音のない所に音が入ってきたのにはビビっておいた。(？)
「俺は、今日負けたんだぞ…？」
『おん。』
「負けたのにこんな賞もらったって、ちっとも嬉しくねぇ…！！」
『………。』
こんなの、ただの頑張ったで賞じゃねぇか！！と怒りの籠った声は、掠れている。
日常ですら負けず嫌いな夕は、バレーになるともっと負けず嫌いだ。そして自分に厳しい。とにかく厳しい。
だからこそあたしのあんこにはちみつとバニラアイスを合わせたような甘ったれた考え(言い過ぎ)は、多分口に出しちゃいけないのだろう。そうすれば夕は確実に怒る。絶対怒る。あたしはそう確信している。
「お疲れ様」も、「よく頑張ったじゃん」も、夕にかけるべき最適な言葉では無い。と、あたしは思ってる。
『(自分に甘々自己中のあたしにはすげぇ難題だけど。夕の気持ちは。)』
それでもほぼ生まれた頃から夕の隣にいるあたしなのだから、何より推しを観察して理解したくなるヲタク脳があるあたしなのだから、分かることもある。
ただ夕が放つ言葉を聞いて、肯定する。
自分に厳しい夕なら、間違った方向には行かないと思うから。
「高校まで、俺はやる事が山ずみだ。」
『おん。』
「次はこれが、頑張ったで賞じゃねぇって、誇っていいものだって思えるようにする。」
『いいじゃん。夕らしい。』
「にししっ、おーっし！庵！サーブ練付き合え！」
『え"、今からっすか…？』
「当たり前だ！」
立ち上がってそう笑う夕は、どうやらもう新しい道へのスタートラインに立ったようだ。
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優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます！皆さんに楽しんでいただけるよう製作中なので少々待っていてください！ (2023年3月14日 6時) (
レス) id: d60abc6b35 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 6時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます！！パート１でもコメントしてくださって...本当に感謝しかないですｯ！！！ (2023年2月9日 12時) (レス) id: 79e0660dd9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - ハイキューの世界観に夢主ちゃんがハマり過ぎて面白いです！ (2023年2月9日 11時) (レス) @page42 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントあざまぁぁっす！！ (2023年1月23日 19時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優雨-ゆうあめ- | 作成日時：2022年10月29日 18時
