p e r f e c t _ 5 (ページ41)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:102,292 hit

225 ページ41

.

次の日、今日使うはずだった靴の行方がわかった。

空港に連絡した時にそのまま探してくれていたのだが、
靴が入った衣装袋は、
手違いで、別の人が引き取ってしまい、
それに気づいた人が、今日の朝に連絡をしてくれて
空港へとまた持ってきてくれたらしい。

「とりあえずあってよかったですね、」

『本当に、…てか普通さぁの持っていく？自分のじゃないのに』

「似てたんですかね？」

『同業者だったりするのかなもしかして。』

「可能性はありますよね、」

『昨日買いに行っておいてよかったよぉ、助かった…本当にありがとうね。』

「私というよりかは、日高さんのおかげなところありますけどね、」

けらけら、と笑ってる所に、
ヘアメイクを終えた日高さんが、
タイミング良く現れた。

「あ、日高さん、」

日「ん？」

「昨日はありがとうございました、」

日「んぁー、全然。元のやつは？」

『さっき連絡あって、別の人が持ってだちゃったんだって、行方は見つかったけど。』

日「あ、そうなんだ。まぁよかったんじゃない？」

「行方見つかっただけよかったですよね、」

日「ね？おかげでAちゃんとデートできたので。」

「お？」

『またそんなこと言って、…そういうこと言うから嫌がられるんだから。可愛い子だけにしか言わないくせに』

日「なに言ってんの、当たり前じゃ無いですか、」

『ほら！』

「あはは、」

冗談なのか、どうなのかはさておき、
こうやって、冗談にしながら
笑ってくれることもありがたい。

海外に来て、慣れないことだったあるだろうに、
貴重な睡眠時間だって奪ってしまったかもしれないのに、
本人が笑ってくれる、本当に優しい人なんだなと思った。

先輩と日高さんが話し込んでるを見ながら、
ゆっくりと後ずさってその場を後にする。

巻き込まれる前に、と言うわけでは無い。
断じて。

「ふぅ、」

西「なに、デートって。」

「わぁ！」

後ずさった後ろから、慣れ親しんだ声がして、
気を抜いた瞬間だったから、
思わず大きな声が上がる。

周りもちらほら声の方を振り向くが、
手を合わせてすみません、と頭を下げた。

「びっくりした、」

西「昨日なんかあったの？」

「いや、そんな大事じゃないんだけど、」

西「じゃあなにデートって。」

→