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あのあと、直也くんから
真司郎にちゃんと伝えておいたよ。と
連絡が入った。



家に着いてから、ソワソワとしてたのは
私ではなく、なかちゃんだつた。

いつまで経っても帰ろうとしないし、
ソファの下に隠れてようかな、なんて言ってる姿は、
実は心配性な私だけが知ってる腕のあるマネージャーの姿で、


実彩子ちゃんとはまた違った優しさを兼ね備えてる。




そんななかちゃんを帰した少しあと、
インターホンが鳴る。


施錠のボタンを押せば、慣れた手つきでロックを外して上がって来る姿が
インターホン越しのカメラに映る、




「緊張してるなぁ、」




それが、私のことなのか、真司郎の事なのか。



それは私にもわからなかった。





＊ ＊ ＊






「おかえり、」

與「っ…、ただいま、」



家のドアを開けて、目の奥を揺らしてる真司郎にそう声かけると
驚いたように目を見開いてから、言葉が返ってきた。




いつものように、洗面所に向かって、
着替えるだろうな、と思っていたからそこに
いつも通り部屋着も置いていた。


本当にいつものことなのに、
飲み物を入れる手が少し冷たくなる。



ちらっとリビングを横目に見れば、
ソワソワとなんだか、落ち着いけない様子の真司郎がいて、



ひとつだけ大きく溜息をもらす。




「はい、」

與「ん、ありがと、」




ソファに並んで座る。



真司郎は今なにを考えてるんだろう、

留学のこと？
それとも、明日のこと？
メンバーのこと？
実彩子ちゃんのこと？



きっと、たくさんのことを考えてるに違いない、
その中に、私に言った事もあるだろうから、


私は、このまま真司郎とすれ違ったままなんて、




嫌だから、




「…、真司郎、ひとつ聞かせてほしい。」

與「ん、」

「全部、全部考えた上でいい、…私と別れる事は、考えた？」

與「え、っ」




ぱちん、と弾かれたように顔を上げる真司郎。



與「それは考えてなかった、…それだけは、よぎらんかったから、信じてほしい、」

「そっか、」

與「Aは、…俺に言われて考えたん？」




あの日、直也くんと真司郎が話をしてるのを聞く前から少しずつ聞いてた噂、


それでも、



「私は、」





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