d e a r e s t _

43. ページ45

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完全に夜型人間だから、っていうのと、
ここが他の人の家だからって言うこともあり
私は眠気がなかなか来なかった。


借りた部屋着をきて、髪も全部乾かして、
借りたタオルは、数日間だけ溜められている洗濯物と一緒に洗濯機を回す、


溜められた洗濯物を見る限り
ここ最近の忙しさを物語っていて、
そう言えば冷蔵庫の中身もほとんどなかったなぁ、なんて思いながら
チラホラと放送停止が目立ってきた
面白くもないテレビのチャンネルを回してから
1つため息をついてテレビを消した。



幸いソファも人一人分くらいなら寝れそうだし、
今日はここでいいか、と体を倒す。



が、ふと気になって
静かになった寝室に足を運ぶ。



もう冷たくなくなったシートを額から外して、
新しいシートを貼ると小さく身じろぐ日高くん。
幸い起きはしなかったけど、
あんなにいつもは気を張ってるのに、
こんなに近くに人がいたって起きないんだから、
相当辛いんだろうな、



( たまには休めばいいのに、 )




そう思っても、仕事人間。
趣味が仕事、曲を作ること、と言っても過言ではないから、
私がそんなこと言ったって聞くはずもなく、



｢明日には熱下がるといいね、｣




こんなに近くにいるのに、
いつものあの捕らえるような日高くんの大きな目が向いてこないのが不思議だ、


起こさないように
布団を掛け直してリビングに戻る、



ソファに身体を倒すと、
目を瞑って、必死に眠気を掴まえる。




どうして、私だったんだろう。



あのタイミングで、連絡をしなかったら、
もし、日高くんがお店にカードケースを
忘れていかなかったら


きっとここの場所は私ではなかったんだ、




もしかしたら、" 優しいあの人 "かもしれない。



なんだかんだ、メンバーだからといって
ここにあの人がいたかもしれない。




ううん、日高くんからしたら、
ここがあの人の方が良かったのかも、



そんなことばかり考えてしまうのは、
自分の身を纏うなにもかもの匂いが、
日高くんでいっぱいだからだ。




ゆっくりと意識が落ちていく、
少ししてから隣にひとつの温もりが来たことも知らずに。




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