第二話:俺はお母さまのモノ ページ5
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「おはよう、おかあさま。」
「んん、もうちょっと…、」
「ダメだよ、今日は僕と散歩する日でしょ?」
俺の一日は寝ている母さんを起こしに行くことから始まる。母さんは朝に弱いらしく俺が起こしに行かなければお昼過ぎまで寝ていた事もあった。こうして母さんを起こしに来れば母さんの寝顔も見放題だ。
少し血色の悪い白い肌、薄い唇、漏れる吐息。母さんを見ているだけでゾクゾクと何かが背中を這い回る。寝ている母さんも可愛いけど、やっぱり起きて俺と話をして笑ってる顔の方が好きだ。
母さんの身体を揺らして起こせば、今日のご飯はなぁに、と子供っぽい質問をする母さんに思わず笑ってしまう。純粋で、綺麗で、真っ白な俺の母さん。もしアンタを汚す様な奴がいたら俺は、
「悟?どうかしたの?最近よくボーッとしてるけど大丈夫?」
「うん、だいじょーぶ!おれ……じゃなくて、僕お腹空いたなぁ。早く食べに行こっ?」
「そうねぇ、私もお腹が空いちゃったわ〜。朝の食べ過ぎは後から胃に来るからあんまり食べたくないのに、ん〜でもなんか今日は沢山食べたい気分だし…、」
(考え込む母さんも可愛いなぁ。)
目を細めて母さんを見ていると、俺の視線に気付いた母さんは慌てた様に早く行きましょ!と俺の手を引いて部屋を出た。母さんと触れている手が凄く熱くて、離してほしくないと思う。
母さんと話しながら居間にいけば、初めて見る年上の女が居た。近くにいた使用人に朝食について尋ねると、その前に婚約者と会う話を聞いていないのですかと言われる。そんな話は一度も聞いていないし、そもそも俺には母さんがいるから婚約者なんていらない。
母さんの方を見れば、母さんは顔を青くさせていた。どうしたの、大丈夫?と尋ねれば、母さんはごめんなさいと何度も謝罪の言葉を俺に向けて言った。どういうことだろうか。
「おかあさま、どうしたの?何で謝るの?」
「わ、私が悟に婚約の話を伝えなきゃいけなかったのに、忘れててっ、」
(…そう言うことか。)
母さんの天然というか物忘れな性格を可愛いと思っていたが、ここまで可愛いとは。つまり勝手に解釈して構わないんだよな、母さんは俺が婚約するのが嫌で忘れてしまっていたと。そう都合の良い解釈をしても良いんだよな。
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muu(プロフ) - わっぱみがき#上弦の弐#万世極楽教#絶賛教祖中さん» コメントありがとうございます♡気に入っている設定でしたので褒めて頂けて嬉しいです。嬉しいお言葉ありがとうございます! (11月18日 18時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
わっぱみがき#上弦の弐#万世極楽教#絶賛教祖中 - 突然すみませんこの作品めちゃめちゃ好きです。設定神だし、その発想力人生何周したら手に入るのか、、、文才もあって発想力もある……(゜ロ゜)?!もしや作者さんは神という存在なのか?! (11月16日 10時) (レス) @page5 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
森 - 突然すみません以下同文です…… (2022年7月30日 13時) (レス) id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
miyu - 突然すみません大大大大大大大大大大大好きのパスワードを教えてくれませんか? (2022年6月18日 21時) (レス) id: b50d43723e (このIDを非表示/違反報告)
ビター - 突然すみません大大大大好きのパスワードを教えてくれませんか? (2022年4月15日 19時) (レス) id: d05a01f832 (このIDを非表示/違反報告)
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