い つ か あっ た は な し? ページ19
…
「貴方は如何して、死のうとするんでしょう」
男は少し驚いた。
今まで少女に其んなことを問われたことはなかった。
何時も少女は何も言わず、ひとつ、『帰りましょうか』と眉を下げて笑うだけであった。
男はすかさず少女の顔を横目で見る。呆れも、怒りもなく、真剣な顔つきをしていた。男の中の驚きは、また少し大きくなる。今まで其れを問われる時は決まって、呆れを含む表情の者ばかりであった。
しかし、如何であろう。自分の横に居る少女は、自分の行為を軽蔑せず受け取り、単純な疑問ととして形に出しているのだ。
男は今度は戸惑いを覚えた。
どの様な形で、此の少女の問いに答えたら良いのか。珍しく男の思考は低徊し、ただ行き場もなくクルクルと飛び回るのであった。
男は、此の少女には理解して欲しいと、何処かで無意識に願った。
然し、男の口から溢れたのは、
「如何してだろうね」
此んな、ぶっきらぼうな解答であった。
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮ノ花 - 江羅古九さん、感想ありがとうございます!^_^はい、絵は自分で描きました!女の子の描き方ーみたいな本読みまくって描いた成果が出てたら良いんですけど笑笑 (2019年5月4日 21時) (レス) id: d96b011022 (このIDを非表示/違反報告)
江羅古九 - 文章の感じもそうですけど、絵が凄く上手いですね!!ご自分で書かれているんですか!? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 651ad92b57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蓮ノ花 | 作成日時:2019年4月14日 2時